87、進学とか就職とか ページ37
夜。もやもやする気持ちを消化出来ずに部屋のテーブルに突っ伏した。
涼が札幌の大学に進学しようとしていたなんて、初めて聞いた。
考えてみたらどうして今まで一度も進路の話にならなかったんだろう…。
私が話さないから涼も気を遣ってくれていた…?
でも。
だからって。
まだ付き合って数か月の彼女のために、自分の進路を変えるっていうの?
美香は「愛だねぇ」なんて笑っていたけど
全然嬉しくないよ。
ううん、むしろ腹が立つ!
だって私たちはまだ高校生だよ。
こんなの、絶対間違ってると思った。
だから、携帯を握りしめて涼に電話をかけた。
私からかけることが少ないからか、喜ぶ涼の声が聞こえてくる。
「どうした?珍しいね、電話くれるなんて」
「あのね?涼の進路の話なんだけど…。
私のことなんて気にしないで、札幌の大学に行きなよ」
私に突然進路の話をされた涼は、少し驚いているようだった。
『どうしたの突然。
あっ!もしかして茜ちゃんからなんか聞いた?
や、違うよ?別にAがどうのっていうんじゃなくて、資格もいっぱい取ったし就職でもいっかなーと思っただけだから』
「……ホント?私のためじゃない?」
『なんで?Aのためだったら嫌なの?』
「やだ、とかじゃなくて。そんなの間違ってるから」
『……間違ってる?』
涼の声色が変わった。
あれ…間違ってるって言い方は違ったかな…。
「だから私が言いたいのは、」
『……あのさ』
言いたいことを纏めようと話し出した私の言葉を、珍しく涼が遮った。
『ついでだから聞くけど。
Aは俺が札幌行っても何とも思わないの?
離れても平気なの?』
「え…?」
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時