*:..。o○☆アイノカタチ2*:..。o○☆○o

81、チョコレートケーキ ページ31

「Aは何飲む？コーヒー？紅茶？」

気持ちを落ち着かせ、着替えてリビングに下りた私を、今度はチョコレートケーキが待っていた。

正直もうケーキはしばらくいいかなって感じだけど…せっかくお母さんが私の為に買って来てくれたから…。


「じゃあ紅茶にする」

答えて、静かに椅子に座った。


「ん〜美味しい。やっぱりここのチョコレートケーキが一番だわぁ」

目の前では楽しみにしてたのか、上機嫌の美波が美味しそうにケーキを食べている。

「はい、どうぞ」

そして、お母さんが私の前にもケーキと紅茶をセットしてくれた時

突然家の電話が鳴った。



「もう、誰よぉ」

デザートタイムを邪魔された美波がのそのそと立ち上がった。


「はぁい、栗原です」

あからさまに面倒くさそうな美波の声。
そして「はい、はい」と何度か繰り返した後、クルッと私に振り返った。



「A、あんたに電話。
お・と・こ・から」

「え、私？」

立ち上がりながら、携帯を部屋に忘れてきたことを思い出した。


きっと涼だ。
どうしたんだろう？
何か急用だったかな？


子機を受け取り

「もしもし？」軽い気持ちで電話に出た。




電話の向こうは、静かだった。

ん？繋がってる？


「もしもーし？」

子機を耳に当てたまま、部屋に行くため階段に足を掛けた時



『あ……、俺…。
わかる…？』


思いもよらない声が受話器から聞こえて来た。

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