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「もう早く寝て？」
『寝ていいの？』
「……やっぱダメ。もっと声聞きたい。寂しい……」
『ごめんね？』
「違う〜！」
『ははっ。好きだよ』
「私も。テグナ好き。だから明日こそちゃんと帰って来てね？」
『うん』
まるで遠距離恋愛してるみたい。
実際は1.5日会ってないだけなのに。
大袈裟だけど、これが私達。
『僕の枕蹴らないでね？』
「ぎゅってしとくから大丈夫」
結局、早く寝てと言いながら、ズルズル内容も無い会話を続けてしまって……
『もう今度こそ寝よう』
「うん。おやすみ。ちゃんとお布団掛けてね？」
『それ僕のセリフだから。おやすみ』
「……テグナ先切って？」
『Aが先』
「じゃあせーのーでで。いい？」
『いいよ』
「せーのーで、おやすみっ」
『愛してる』
ブッ、ツーツー……
時計を見たら一時間以上電話してた。
『明日何時に帰ってくる？』
って、起きたら電話してもいいかなぁ？
さっきと全然違う気持ちで、彼の香りが染み付いた枕を強く抱き締めて、ようやく枕元にスマホを置いた。
電話して良かったんだ？
そっか〜へぇ〜
って思いながら、きっと次回もまた迷う。
それで一日悶々して今みたいに怒られるんだろうな。
って、想像出来る私達。
怒って口を尖らせて睨んでくるテグンが思い浮かんで、胸がきゅ……っとなった。
テグナも今頃私の事思い浮かべてくれてるのかな？
あぁ早く、本物の香りに埋もれたい……
声を聞いて、恋しさを募らせて、また照れながら彼を出迎える。
こうして私達は『好き』を更新していく。
『ただいま』
耳元で響く彼の声を想像して、胸の奥の細胞がぎゅってなって、その余韻を貪って眠りについた。
怒るくらいなら電話掛けてきてよね。
もぅ……
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作者名：サラン | 作成日時：2017年7月4日 6時
