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74.小さなメモ帳 ページ24

「やはり、あのお方でしたか」

 "あのお方"ということは、知っているってこと?

「桃寿郎くん、知ってる?」

「もちろんです!

 煉獄杏寿郎さんは俺の先祖に当たりますから!

 とは言っても、直系ではありません!

 俺は杏寿郎さんの弟、千寿郎の直系になります!」

 
 千寿郎くんの…そうなんだ。

 弟の直系でもこんなに似ているなんて…

 会ったことないけれど、杏寿郎さんと千寿郎くんは

 相当似ているんだなあ。


「教えてくれてありがとう」


「いえ!"煉獄杏寿郎"さんは今も尚、

 煉獄家一族に語り継がれる偉大な炎柱ですから!」


「やっぱり、すごい人なんだね。

 あっ…そういえば、私を待っていた気がするって

 桃寿郎くん言ったよね?あれ、どういうこと?」


「それは…」


 桃寿郎くんは小さなメモ帳を取り出した。
 

「これって」


 差し出されたメモ帳は見覚えのあるものだった。

 確か、私が杏寿郎さんにあげた胸ポケットに

 入る大きさのメモ帳。


 でも、それをなぜ桃寿郎くんが?


「先祖の千寿郎が見つけたものだそうで、
 
 煉獄家では大切に保管されていました」


「え?」

 どういうことなんだろう。

 現代のメモ帳が大正時代に…?


 つまり、それって杏寿郎さんは元の時代に

 戻れるっていうこと!?

 いや…でも、杏寿郎さんはまだこの時代に…



 桃寿郎くんは少しだけ話しづらそうに言葉を続けた。


「…杏寿郎さん亡き後、少し経った頃に

 彼が亡くなった場所へ千寿郎が向かった際に、

 草花が生い茂るところでこれを見つけたそうです。

 当時では見たことのない小さなメモ帳で

 千寿郎は不思議に思ったようですが、

 中を拝見して、それが兄の杏寿郎のものであると」


 杏寿郎さん亡き後?

 それって年をとって亡くなった時の話なのかな?


「Aさん」


「はい?」


「あなたのそばにいる杏寿郎さんは、

 今いくつくらいですか?」


「二十歳って言っていたよ」


 私の言葉に桃寿郎くんは口元を手で押さえた。


「え?何!?どうかしたの?」


「…いえ!何でもないです!」


 明らかに動揺している。

 嘘つけないところ、杏寿郎さんに似ている。


「何言われても大丈夫だから、教えて欲しい」


 桃寿郎くんはメロンソーダを一口飲むと、

 重たそうな口を開いた。





「…煉獄杏寿郎さんが逝去された年齢なのです」

 

75.彼が書いていたこと→←73.手繰り寄せる糸



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2023年9月17日 0時

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