検索窓
今日:20 hit、昨日:25 hit、合計:7,057 hit

72.加速する歯車 ページ22

クリスマスの翌日。

 私はスマホのディスプレイに映る人の名前を見て

 一息つき、通話ボタンを押した。

 心臓の音が騒がしい。



「もしもし…」


「はい、煉獄桃寿郎です!!」


「あ、あの…この前東京で声をかけて

 電話番号を教えてもらったAAです」


 声もなんとなく杏寿郎さんに似ている。

 そして声が大きい。

「ああ!この前のお姉さんですね!」


「電話、出てくれてありがとうございます」


「どうしてですか?」


「だって…ほら、知らない人にあんな突然声かけられて…

 あ、危ない人かもって思わないですか?」


 私だったら電話出ないかも。


「いや!全く問題ないです!

 それに、何故だかあなたを待っていた気がします」


 私を…待っていた?

 どういうこと…?


「それって…」


「Aさん、もう一度会ってお話できませんか?」


「…もちろんです!私も直接聞きたいことがあって」


「はははっ!

 Aさん、失礼ですが俺より年上ですよね?

 敬語使わなくて大丈夫です!!」


「あっ、えっと…うん!」


「年末で部活がないので、そちらに向かいます!!

 どこか駅前とかで落ち合いましょう!!」


「え!?いいの!?学生なんだし、私が…」


「観光がしたいので!旅から学ぶことも多いですし!!

 それにまとまった休みでなければ、

 遠出が許されておりません!!父が厳しくて!!」


 そうか…申し訳ないけど、それなら…


「分かりま…分かった!じゃあ、いいかな?」


 溌剌とした声で彼は返事をし、

 私は明日、駅前のカフェで桃寿郎くんと会う約束をした。


 ドクドクと全身に熱い血が巡っていく感覚。

 運命の歯車が回り出したような気がした。


「Aさん?」


「あ…はい!」


「はははっ!どうした?何だか顔が赤いぞ?

 よもや、熱でもあるのか?」


「いえ!元気です!!」


 慌てる私を不思議そうに見つめる綺麗な瞳。

 
 杏寿郎さん、

 あなたが元の時代に帰る糸口が見つかりそうです。

 正直、寂しくて、この居心地の良さが

 初めからなかったように消えてなくなってしまう

 怖さや不安はあるけれど、

 あなたの幸せのために私は頑張るよ。


「杏寿郎さん、私、明日の午前中出かけます」


「ん?そうなのか!承知した!」


「お昼には帰ってきますね。

 お昼ご飯、何か食べたいものはありますか?」






「そうだな…オムライスがいい!」

73.手繰り寄せる糸→←71.積もる雪



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
114人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2023年9月17日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。