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62.スノードーム ページ12

そんな怖い顔で彼を見ていたのかな?

 まさか睨んでしまっていた!?

 そんなことないとは思うけど、

 もし、そうだとしたなら申し訳ない。


「ん?違うな!Aさんは案外天然なんだな!

 はははっ!」


「天然!?」


「うむ!普段はしっかりしているがな!」


 そうかな?そんなこと思ってもみなかった。

 杏寿郎さんは耳を赤らめながら私をじっと見つめた。


「君はずるい人だ」


「え?」


「…すまない!さあ、行こう!

 もう少し先にAさんを連れて行きたいと思っていた

 場所がある!」


「どこでしょうか?それは楽しみです!」


 子どものように屈託のない笑顔を見せて彼は歩き始めた。


 その首には、私があげたマフラーが

 心地よさそうに揺れていた。




 *




「これは…」


 杏寿郎さんに連れてこられたのは

 デパートの一角にある雑貨屋さん。

 そこではスノードーム作りの

 ワークショップが開催されていた。


「共に作ってみないか?

 先程、君を待っている時に調べていた!

 "すのーどーむ"というものらしい!

 俺のいた時代ではあまり見かけないものでな」



 スノードーム作りかあ。楽しそう。

 子どもの頃は何かを工作する機会は作らずともあったけど、

 大人になると自分からやろうと動かない限りは

 そんな機会はほとんどなくなってしまう。

 
「いいですね!せっかくだし、やってみましょう」


「うむ!」


 ものづくりに心がワクワクするのは久しぶりだ。


 店内に入ると、背の低い可愛らしい店員さんが

 私たちに近づいてきて声をかけてくれた。


「いらっしゃいませ!2名様ですね!」


「はい!スノードーム作りをしたいのだが!」


「スノードーム作りですね。承知しました!

 ではこちらへお掛けください。

 あ、彼女さんもこちらへ!」


 か!?彼女!?


「あ!いえ!私は…!!」


 大声を出した私に店員さんは驚いて目を丸くした。


「彼氏さんだけですかね?」


「…いえ!わ、私も作りたいです!」


 1人でわたわたしている私の様子を

 店員さんは不思議そうに、

 杏寿郎さんは顔を真っ赤にしながら

 大きな目をさらにひと回り大きくして見ていた。
 

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2023年9月17日 0時

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