月姫の陰陽師肆 (ページ8)

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第153話ページ8

noside

『(勝って、支えてあげて、一人じゃないって.......！！君が、天馬を孤独から救って！！！！)』

真っ直ぐな眼差しで、士門と天馬を見つめる彼方の視線は武舞台上へ。

「肩肘張ってんじゃねぇぞ、トリ丸ぅ。緊張してんのか、んん～～～～？」

「.......」

いつもの調子で話す天馬に対して、士門は先ほどの事が頭に残っており、目の前の天馬を探るように見ていた。

「(......さっきの話の言葉は何なのか？......何を考えているんだ......！！)」

「.......なぁ、トリ丸よ。お前、俺に聞きたいことがあるだろ？」

「なっ......」

『！』

「盗み聞きなんて天才のやることじゃねぇよな～～～～～んん～～～～？ﾎﾞｿｯ)アイツも聞いてたようだしな.....」

横目で観客席にいる彼方を見る天馬。
自身を見ていると気づいた彼方は、少しの動揺の後、気まずそうに士門の方に視線を送った。

「き......気付いていたのかっ.......！？」

『(あ、バレたっぽいね)』

気づかれていたことに動揺する士門と彼方も、観客席からなんとなく察したらしい。
士門はチラッと彼方の方に向けた。
そして、すぐに天馬を見た。

「俺たちの話がどうしても気になるっていうなら.........そうだな、俺に勝てたら教えてやってもいいぜ？」

「な........んっ.......だとっ.......っ！！！！」

『(なんか......話してる？何を話してるかはわかんないけど、士門がちょっと怒ったのはわかる)』

「──────それではっっ第一六七回波達羅え城御前試合最終第十試合っ始め！！」

ダッ！！

「天馬あああああああああああああ！！！！！」

ボガッ！！

始めの合図と共に天馬を殴りに向かった士門。

「お前や有馬さんが何を考えているかは知らない......だが「勝てば教えてやる」......だと！？自惚れる.....なっっ！！！！！」

『怒ってる.....(相変わらずだ)』

「「お前の力を貸して欲しい」と手をついて言わせてやるっ！！天馬！！！！それともうひとつっ俺の名前はトリ丸ではないっっ！！！！」

『(あ、それ気にしてたんだね。その呼び方直らないと思うけど......？)』

怒りを込めた拳。
呼び方の否定を見て、彼方は苦笑した。

『変わってないなぁ(記憶の中の二人の変わらない部分だ......)』

　