第191話 ページ45
一方、なげきの台の者達は有馬が何故ろくろ達の元に向かったかの話をしていた。
「あっ......有馬様がお一人で......!!?」
到着した彼方達に、先にこの場にいた者達から有馬の情報が伝えられていた。
「マジかあの人......俺らが出る幕ないんじゃねーの?」
「それならそれで有難いスけどね」
「有馬様ご本人はどちらの階層へ行きはったんや?」
「深度2007って言ってましたねぇ」
その言葉に繭良はほっとした。深度2007にはろくろがいるからだ。そんな繭良の表情と逆ですばると彼方は眉をひそめて不安そうな顔をする。
「それはえらいことやなぁ〜〜〜」
「!?」
すばるの言葉に繭良は首を傾げながら、良くない事なのかとその内容がわからない彼女は心配した表情ですばるに問いかけた。その近くには難しい顔をしているすばると彼方。未来は隣にいる彼方の表情を気にしながら、繭良とすばるの話に耳を傾けた。
「師匠?どうしたんですか?先程から難しい顔をされて」
『..........』
「────ん.....ああ。何故、有馬様はろくろはんの下へ式神でなくご本人が行きはったんやろぉなぁ」
「え?.....それはやっぱりろくろの隊にはお子様がいらっしゃるからじゃ?」
ろくろの隊には有主がいる。
繭良は彼がいるから有馬がろくろ達の元に行ったのだと思っていた。それをすばるは首を振って否定した。
「普通に考えればそれが当たり前なんやけど.....有馬様はその辺冷酷なお方やよって本当にそうする必要がない限り感情で動く様なことはしぃひん。もっと何か......彼方はん」
『......ええ』
すばると同じような表情をしていた彼方にすばるが真剣な顔と声で名前を呼んだ。繭良の視線の先がすばるから彼方へと向いた。
『ろくの下へ行ったのは、その″先″に何かあると見越して動いたんだと思います』
彼方は、確実に有馬がろくろの下に行ったのは有主君のこともあるが一番はろく達の下に″何か″が来るからだと思っていた。
『良くない.....嫌な予感がします.....』
「!」
彼女の感は良く当たる。
主に嫌な方に.......。
「ろくろ.....」
『(何もなければいいのだけれど.....).........予感、外れてよね.....』
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れい(プロフ) - コメント失礼します。オリフラが立ったままになっているので、フラグ解除をお願いします。 (2021年8月19日 16時) (レス) id: d1cecbd3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月9日 23時