月姫の陰陽師肆 (ページ32)

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第178話ページ32

焔魔堂彼方side

士門と話をして帰ろうと思っていたが、境さんからの連絡ではすぐに帰らないといけなくなった。恵治さんに用事ができたことを伝え、また改めてくることを伝える。

天馬に聞きたい事があったんだけど、無理っぽいなぁ。

次の戦い.....悠討伐作戦で多分、士門と天馬.......それに、有馬さんは死ぬのだろう。御前試合の前に士門と聞いてしまった話はそういう内容だったから。それを天馬は知っていて、士門を助けるために脚をきったと思う。士門はちょっとやそこらで諦めないから。

何で、私に話してくれないの.....？
......話せなかったってこと？

わかんない。
今回は今まで以上に嫌な予感がするから。
嫌な予感が大きすぎて、わかんなくなってる。

何事もなく今回の作戦が終わることなんてないんだろう。
絶対何かが起こる。

──────────

今日の会議で決まったことは私達、十六夜家は鵜宮家、蛇草家、御幣島家、天若家、そして焔魔堂家の戦闘部隊に振り分けられた。ろくろは、この作戦のために頑張ってきたので結構気合い入っているだろう。

「彼方、姉様、頼めるかい？」

「ああ、当主が決めたんだ。従うに決まっているだろう」

『勿論ですよ、境さん』

その部隊には私と過去さんと傘下の人達。
境さんと未来は別のところに行くらしい。

それぞれの役割がある。

　

　

　

　

　

　
知ってる話。

君は隠している。

　

わかってるの、君が未来を見れると言うのに、

私のことは全く見れないってこと。

映ってないってこと。

あの日から、今日まで、

君の未来には、私は映ってないんでしょ？

　

私だけ、この世界にいないみたいに。

　
特異点(イレギュラー)の私は、

否定されてるのかもしれないね。

けどさ、私は、君達に君に

思ってもらえるだけで、

嬉しいの。

幸せなの。

大切に思ってくれているだけで、

私は生きていける。

でもね？

私がイレギュラーであるのは、

今よりももっと前。

　

　

あの時代で、

私は既にあの二人の瞳に心に

残っていられれば、

それだけでね

幸せだったんだ。

　