第176話 ページ30
怒りを露にする恵治さん。
「一体っ.....どの面下げて弟の前に現れたんだっ!!?」
『恵治さん!!』
「やめて下さい兄さんっっ、ここは病院ですよっ!?」
「士門っ.....」
「どうしたぁ、んん?殴るんじゃなかったのか?」
「.......っ!!」
何で天馬は恵治さんを煽るの!!?
「それで士門の脚が元に戻るなら何発だって殴ってやるっ......でもそんなことをしても失ったものが戻るワケじゃないっ.......」
「ふぅん、そうかよ。だったら殴っといた方がいいんじゃねぇか?もしかしたら切れた脚が生えてくるかも知れねぇぞ?」
ゴッ!!!
『!』
ドサッ!!!
恵治さんが天馬の言葉を聞いて頬を殴った。
「本当にっ......本当に少しでも悪いと思っていないのかっっ!!?.....ハッ!」
殴らないと言っておいて殴ってしまった恵治さん。
殴った後でやってしまったという顔になってる。
恵治さんは悪くないでしょ。
天馬が煽ってこういう風にしたんだから。
わかってやってますよ、彼。
ポケットからハンカチを取り出して立ち上がる。
『(はあ......)』
保冷剤持ってきてよかった。
ゼリー冷やすために持ってきたのに、まさか全く予想外の使い方をするはめになるとは。
「......」
『(殴られても、顔整ってるな、イケメンは.....)』
天馬の横にかがみ、口から出ている血をハンカチでふく、保冷剤を頬に当てて冷やす。
「席を外して頂けますか、兄さん。俺は大丈夫です......俺に話があって来たんだろう─────天馬?」
何の話があるのか......。
「彼方も折角来てもらったのに悪いな」
『大丈夫だよ、気にしないで』
保冷剤を天馬の頬に当てながら、腕を掴み立ち上がらせる。
「もう大丈夫だ」
『そっか.....。恵治さんをわざと挑発するのはいただけないよ』
「.....何のことだ?」
『......心配をさせないでくださいと言っています....!以上』
保冷剤を持って天馬から離れた。
椅子の脇においておいたバックを持って病室から出る。
一通りが少ない廊下。
『(......はぁ、本当に嫌な予感しかしない.....)』
最近は特に多すぎるよ。
この予感が......なくなればいいのになぁ。
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れい(プロフ) - コメント失礼します。オリフラが立ったままになっているので、フラグ解除をお願いします。 (2021年8月19日 16時) (レス) id: d1cecbd3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月9日 23時