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第172話 ページ26

彼が私に頼むことなどあるのか?と疑問を持ちながら紅緒は道満を見た。



「《太陽》に覚醒した時......もう一人......目覚めるものがおる。」

「!.....敵....!?」

「いや、違う。味方じゃ.....」



道満が語りだした、千年も昔の話。



「千年前、儂らと共に穢れの王を祓うために戦った巫女が一人いた」

「巫女.....?」

「そやつは優しく、誰かのために涙を流す奴で不思議な雰囲気を持っておった。......それはそれは綺麗な白の髪色を持ち、碧の目を持つ娘。千年たった今、この世に生まれ変わったのじゃ、記憶を忘れてのぉ.....」

「生まれ......変わった......!?」

「そうじゃ。......そやつの生まれ変わりにはすでに会っておるぞ。..........晴の子の子と共にいるであろう.......」

「まさかっ......!?」



道満の話で紅緒の頭の中に一人の少女が浮かび上がった。黒い髪を風になびかせ、ろくろと同じ赤い目を持ち、にこりと嬉しそうに笑う彼女の姿。



「.......彼方....さん.....?」



彼女にも何故彼方が頭に浮かんだかはわからないが、その答えが間違っているとは思わなかった。



「......今はそのような名であったのぉ。太陽が覚醒したときにあやつの本来の力と記憶が戻る。........戻れば、あやつは.......自分の幸せを捨てるじゃろう」

「え.....?」

「記憶が戻ればあやつは自分の幸せより儂らと会うことに命を使う。儂らの友には今度こそ........幸せになってほしい。........そなたには、あやつが儂らのためではなく自分の幸せを考えてくれるようにしてほしいのじゃっ!!」



真っ直ぐと紅緒を見る道満。
紅緒は握っている髪飾りを見てもう一度握る。

道満を見て笑顔で頷いた。



「すまぬのぉ」

「私.....も.....あの人には.....幸せになってほしい.....から」



その言葉に道満は満足そうに頷いた。
紅緒の身体が光だし、暗やみが白くなり光がさす。



「いけ、″太陽″の下へ、お前の帰りを待つ者の下へ!」












「深淵の地でまた逢おう!!」



 




 
 
 
 
───我が友のことよろしく頼むのぉ───



 





 






 

千年前、月の巫女と呼ばれた娘
 





 



 



 

 

 









 
________________皐月(さつき)柊姫(ひいらぎ)を。


 

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れい(プロフ) - コメント失礼します。オリフラが立ったままになっているので、フラグ解除をお願いします。 (2021年8月19日 16時) (レス) id: d1cecbd3a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月9日 23時

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