第151話 ページ3
ろくろ達の試合が終わり、再び医務室に送り届けられることになった私。士門も控え室に行くため、送ってくれる。
『ろくの試合凄かったね!さすが、私の弟!!!』
「ああ、とんでもない快挙だ!俺もろくろの活躍に続いて.....」
『?どうしたの?』
いきなり止まった士門を不思議に思いながら、士門の視線の先を見れば、有馬さんと天馬がいた。
『(なんか話してる?)』
二人の様子を隠れながら見る士門の隣に、音をたてずに立つ。
立ち聞きとかダメなのに、なんとなく珍しい組み合わせのため士門も私も黙って様子を見る。
「────でどうだった?君の目から見た彼の成長は」
「んん、突貫工事だからな。重要なのは本番で役に立つかどうかだ」
ろくろの話かな?
「まさか勘久郎くんに勝つなんていい意味で予想外だ。限られた時間でこちらの期待に彼らは120%で応えてくれた」
やっぱり、ろくろに何かしてたんだね。
学校でろくろが十組なんて、絶対にないと思っていたし。
「.....次の戦い、悠斗くん討伐作戦は間違いなく"特異点"だ」
「『─────!!?』」
「双星の片割れは?」
「......残念だが、次の戦いでは紅緒くんには期待しない方がいい」
「しゃあねえな──────まぁ、手札は不利な方が燃えるってもんだ。そもそも」
『(そもそも.....?)』
「俺たちが死んで残してやれるものなんて、別に大したもんじゃねえ........」
「『!?』」
......どういう....、ことなの.....?
何がなんだか分からず、私達はその場を後にした。
私達に気づいていた人がいたことに気づかずに.....。
「.......」
──────────
士門は控え室に私は医務室に。
ベッドに横になり、眠ろうとするけどさっきの話が気になって眠れない。
『(二人が死ぬって........どういうこと?)』
有馬さんも天馬も強い。
そう簡単には死なない強さを持ってる。
それに特異点って.......?
悠が起こしていることは予想外のことってこと?
『わかんない.......』
士門も多分、控え室で今頃考えてそう。
まだ、それに関しては予感がしない。.......さっきから嫌な予感がする。何事もなく終わって欲しい.....。
考える事が山ほどあるのに目蓋が段々と重くなる。
いつの間にか私は眠ってしまっていた。
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れい(プロフ) - コメント失礼します。オリフラが立ったままになっているので、フラグ解除をお願いします。 (2021年8月19日 16時) (レス) id: d1cecbd3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月9日 23時