月姫の陰陽師肆 (ページ17)

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第162話ページ17

「ずっと思ってたんだぜ！？御前試合なんざやる意味ねぇってな！！島で一番強い奴なんてわかりきってんだからよっっ！！十二天将！！？偉そうに括ってんじゃねえぞ！！！″俺″か″俺以下の雑魚″それだけだろうが！！！！」

「口が過ぎますぞっ天馬殿ぉぉ！！」

「本気で言うとるんか──────坊.....！？」

「知らない間にとんだ天狗に成り下がったな」

「L・E・A・R・N・S・I・N、Learnsin、乱ぁぁぁん心ぃぃぃぃん」

その言葉に意識と目線が天馬の方を向いてしまった彼方。
今にも泣きそうな表情に天馬は一瞬顔を歪めた。泣きそうな中に天馬のことを心配しているような表情も交ざる瞳に気づいていながら天馬はそれに気づかないフリをした。

『！.......士門、ダメだよ！』

片足で立ち上がりろくろの方に向かおうとする士門を彼方は弱々しくではあるが止めようと腕を掴んだ。

「どくんだ、ろくろ」

「士門！！！」

「......彼方....大丈夫だ.....」

『ﾌﾘﾌﾘ)ダメ、動かないでよ....』

心配する彼方に優しく笑みを浮かべながら一言言って、天馬を見る士門。

「皆も退がって.....下......さい！これ.....は俺の試合....です！」

「無茶を言うな士門っっ！！」

「天馬っ.......！！見ての通りっ....俺はまだ戦える.......さあっ続きを始めるぞっ！！」

「そこまでっっ！！！！」

『！』

「全員武器を収めたまえっ再開する必要はない。試合は鵜宮天馬の反則負けっ.......よって第十試合、勝者は斑鳩士門っっ！！！！」

有馬さんの宣言と共に気を失い倒れた士門に慌てて駆け寄った。

「鵜宮天馬の処遇については厳罰を以て対処するっ！！以上っ......此度の波達羅え城御前試合はっこれにて閉幕！！」

担架を持ってきた医療の人が士門を乗せ、病院に向かう。恵治も駆けつけ繭良も一緒に武舞台から降りていった。

「落ち着いてくださいス、彼方さん。士門君は死なないッスから」

『ｺｸｺｸ).....わ、わかってます.....』

「落ち着け、姉ちゃん....！大丈夫だから.....！」

彼方は士門が運ばれたとたんにその場に座りこんでしまった。震え、顔色の悪い彼方の視線の先には天馬の後ろ姿があったのだった。

『(てん、ま.....)』

　