【鬼滅の刃】そこで見つけた六花ノ景色 (ページ8)

今日:16 hit、昨日:118 hit、合計:19,633 hit

第2話　白蛇の鏑丸② ページ8

嬉しくて、蛇を触った事はないがドキドキしながらゆっくりと手を近付けてスリスリのお返しに頭を撫でると気持ち良さそうに目を細めた。大きさは多分まだ小さいのかな？白蛇の平均って180cmぐらいって独身の先生(中学3年の元担任)が言ってた。

『【君の事を小芭内さんに紹介して、名前も決めよう。いい？】』

首に巻き付いた(別に閉められている訳じゃない)白蛇に口パクで伝えれば、初対面でもう私の言葉を理解してしまったのか私の頬にもう一度スリスリ。いいよと言われているように感じた。

これならこの家の事とか、抜け道とか教えたら小芭内さんの助けになってくれるかな？

──────────

この家は他の家よりも贅沢だ。
何か名家なのか、貴族の家なのか.....それとも商家なのか？と思いながら観察している。

贅沢するなら小芭内さんにもっと健康的な食事を出せよ！と思う。未だに小芭内さんが座敷牢にいる理由はわからず、空気になりながら借りてきたお鍋でお味噌汁(少量)を作って彼の座敷牢に持って行く準備をする。そそくさ忍びやしである。

自分が忍びになったみたいに頑張るんだ！
心の中で少しだけノリノリだったのは、心に秘めておくことにしようと思う。

『【″鏑丸″って名前にしようと思う】』

「何がだ？」

『【この子の事だよ】』

「この子？」

『【うん、この子！】』

ほら！と隠していた白蛇改め鏑丸を小芭内さんに見せた。いきなり現れた蛇に驚いた小芭内さんは目を見開いている。

『【そ、そんなにびっくりしたの？】』

「するに決まっているだろ！」

『【ご、ごめん】』

鏑丸は小さくて細いので座敷牢の柵の向こうに余裕で抜けて行き、小芭内さんの元へ。「いい子だから大丈夫！」と伝える。案外相性がいいのか、鏑丸も小芭内さんも早いなつきです。私と同じようにすぐに首に巻き付いていた。

『【その子がバレないように屋敷の中連れ出して行こうと思う】』

「バレないようにしろ」

『【わかってる！でも、鏑丸優秀だから力になってくれる気がするんだ】』

鏑丸は友達だしね！

『【それに白蛇は縁起がいいんだよ】』

独身元担任が言っていた情報を自慢気に言えば、そうなのか？と首を傾げつつ納得された。ここでも元担任情報が役に立った。多分！

　