【鬼滅の刃】そこで見つけた六花ノ景色 (ページ6)

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第1話　座敷牢と黒髪少年④ ページ6

『(不健康そうなご飯.....)』

「咲々芽......白米はあるか？」

『【あるよ、持ってきた！】』

ここに連れて来られてからもう数ヵ月。
未だにこの家についてはわからないが、厄介な感じはめちゃくちゃするので常に警戒して過ごしている。雑用係の私の扱いは良いものとは言えないけど、家の女の人達の目を盗んで山に出たり、食べれそうな山菜採集は続けてる。

『【私がどっか行ってる間に来たんだ】』

「ああ......」

『【油っぽい.....】』

小芭内さんはこの座敷牢からは出られないが、何にもされてないし罵倒や暴力を振るわれているということはない。ないのだが、「ここから逃がさない」という意思は伝わって来る。しかも、小芭内さんは何故か媚びられていて家の女の人達が猫なで声とか......私的には聞きたくない声で話されている。聞いた時は顔がひきつりそうになって、前髪で顔が隠れている事にめちゃくちゃ感謝した。小芭内さんにはバレて「酷い顔になってるぞ」と言われた。

『【おにぎりと私の昼ごはんのお魚持ってきた！】』

「魚......いいのか？」

『【勿論！食べて食べて】』

そそそと座敷牢の中に入れて、持ってきた湯呑みに入っている水も渡した。油揚げとか太る原因となる脂質系を彼は食べない。てか、この家の人のご飯は食べてないと聞く。

こんなのを毎日のように出されて、媚を売られて暮らしていれば絶対に警戒心上がるし、小食になる。
とりあえず、元気が出るようにと幼いながらにおにぎりを作った時は警戒されながらも食べてくれて「うまい」と言ってもらった。形は綺麗な三角にはならなくて所々歪だが女の人達からのよりはいいと言われた時は嬉しかった。

彼女達の油っこい料理とは一緒にしないでほしかったし。

『【どうかな？お魚美味しい？】』

「美味しい、ほどほどの塩加減だな」

『ﾎｯ)........(しょっぱくならないように頑張った)』

台所から人の目を盗んでバレない程度にパパッと塩とか味付けの調味料類は拝借させてもらってる。

許せ、これも小芭内さんの健康のため！

『【また持ってくる！】』

「気をつけろ。外は危険な所？とかあるんだろ？」

それ、私が前に教えたこと......。
覚えててくれたんだ。

その事が嬉しくて、また一段と仲良くなったんだなって思えて笑顔で頷いた。

　