第14話 隠なドジっ子�� ページ47
「お疲れ様です、冬柱様」
『後藤さん、お疲れ様です』
今日も今日とで鬼を狩る。
鬼舞辻無惨を倒さなければ、私達に普通の生活が来ないことぐらいわかるのに、刀を抜く度に思ってしまう。
鬼殺隊事後処理部隊である隠。
隊士が、鬼を斬った後に後の事を解決してくれるとても頼りになる人達だ。隊服は、私達隊士とは違うが、隠の人達は皆同じデザインだ。ゲスメガネ(前田)も隠である。
柱合会議の時や刀鍛冶の里などに向かう時に、私達を背負ってくれたりする。結構幅広い分野の仕事をしてもらってると思う。
『敬語いらないって毎回言ってるんですけど、直んないですよねぇ』
「年下でも、階級は上っすからね」
年上の人に敬語を使われるとむず痒い。
初めて会った時から、私の方が階級は上だったんだけど、雰囲気がお兄ちゃんみたいで、なんとなく敬語は使ってほしくないと言ったんだけど、直ってはくれなかった。
まあ、たまに無茶すると敬語外して話してくれるけどさ。
『気にしないで欲しいって言っても、聞いてくれなさそうですよね、後藤さん』
「そうっすね」
何回、何十回と後藤さんにはお世話になっている。
柱になる前は勿論だし、柱になるまえだってお世話になっていた。関わる機会も多かった。
「あ〜、冬柱様」
『何ですか？』
「今日、アイツここの担当っす」
『........oh』
アイツ。
後藤さんが呼ぶアイツ.....共通するのは、彼女の事。
隠であり、後藤さんの後輩。
後藤さんと関わる事が多くなったのは..........なったのは、彼女と関わるようになってかもしれない。.........いや、間違いなくそれが関係してるわ。
『近くにいるってことですよね？』
「今、向かってきてると思い＿＿＿＿」
「冬柱様！お疲れ様です」
「噂をすれば、来ましたよ」
と向こうの方から、後藤さんと同じ隠の格好をした少女が走ってくる。私よりも数cm高い彼女が......今考えていた彼女が近付いてくる。
のだが、
『あ』
ズデンッ。
何もない所でつまずいて転んだ。
そして、背中に背負っていたであろう隠の仕事で使う道具が......道具が空中で項を描き落ちた。「あ」と私の口から声が漏れて、
びしゃっ。
「冷てっ.....！！」
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年4月15日 14時
