第11話 透明な刀身�� ページ40
『おはよう、師匠』
「おはよう、咲々芽ちゃん」
朝、起きて着物に着替えて、朝食の支度をする。
前世とは違う、昔ながらの製法で作っていく。
火をおこして、お米を炊いて、包丁で野菜を切っていく。電気で動かす時代で生まれた私としては、初めて転生した世界で料理をした時、めちゃくちゃ苦戦した。
これから発展していく時代にいるって思うと少し考え深いものだけどね。
師匠とご飯を食べて、後片付けをした後に夜明が、飛んできて初任務の報せを持ってきてくれた。もう、初任務なんだって、驚いて着物を隊服へと着替え始めた。
今の時代だと洋風要素を取り入れた鬼殺隊の隊服。
鬼を倒すために動きやすい服装を考えて、このデザインになったのかな？
『(今度、靴下でも買おうかな.....長いやつ)』
今はいいけど、もうちょっと大きくなったならほしいと思う(当たり)。
「咲々芽ちゃん」
『はい、なんでしょう？師匠』
師匠に声をかけられた私は、座っている師匠の前に正座をして座った。目の前に置かれたのは、綺麗な色の羽織と白の山茶花の髪飾りだった。
「これを貴女に渡そうと思って」
『！』
師匠の見せてくれた羽織、群青色から水色になるグラデーション。
『綺麗な色.....』
「お店で見つけたの。咲々芽ちゃんにって」
『師匠！』
「髪飾りはね、前に山茶花の事を話してくれたでしょ？」
小芭内さんと歩いた時も、冬の呼吸を思い付いた時も山茶花が関係していた。どうしても目にとめてしまう赤。この髪飾りは、白い山茶花。本物は少し桃色がかってるけど......、これは白。
『ありがとうございます、師匠！』
「羽織、小さくなったらまた私が渡すから」
『！』
「それまで......」
『はいっ、よろしくお願いします！』
大きくなって、また師匠に羽織を用意してもらえるように、お願い出きるように、強くなって生きていかないといけない。
「任務！任務ダヨ！」
『うん』
「東ダヨ！東！ココカラ東ノ町に向カッテ！」
『初任務だね』
羽織を羽織って、腰に刀をさす。
髪飾りを付けて、ショートブーツを履いて準備オッケーだ。
「いつでも帰ってきてね」
『はい！文も出しますね』
＿＿＿＿行ってきます！
＿＿＿＿行ってらっしゃい！
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年4月15日 14時
