第11話 透明な刀身�� ページ39
「勿論よ。それで、鎹烏を通して頼んだの」
「里でそのお願いを叶えてくれるのは、鉄珍様だけだと思って」と師匠は言った。改めて鉄珍様にお礼を言った。
冬の呼吸を使った時、普通の刀に少し違和感を覚えた。
私のイメージでは、冬の呼吸のどれもふわりと軽く、繊細。それでいて、しっかりと斬れるという考えていたんだけど、実際は重い.....と思っていた。
私の筋力がないのかと思ったけど、そういうワケではないみたいで......。
『師匠、鉄珍様！ありがとうございます！』
私の事を気にして、打ってくれた刀。
その事が嬉しくて、頑張ろうって気持ちになる。
『(それにしても......)』
「どうかしたの？」
『いえ』
師匠って一体何者なんだろう？
里長と知り合いって、人脈広すぎない？
───────────
『ウワァ.....ヨクモエルナァ』
刀を受け取り、次は隊服。
ドキドキしながら待ってたら、隠と呼ばれる人がやって来て、私の隊服を持ってきてくれた。広げて見ると洋風要素の入ったスカートで、お腹が少し出るデザインの上着だった。
前世は普通の女子高生だったから、別に脚を出すぐらいなんてことないし、お腹も......まあ鍛えているから別に見せてもいいんだけど、隊服を師匠に着て見せたら、黒い笑顔を浮かべてマッチで燃やしていた。
ファイヤァァァァァァ！！！
である。
「いい？咲々芽ちゃん。今後、また同じような事があったら、燃やしなさい」
『え、.........ア、ハイッ』
目がマジで普通に怖かった。
後日、震える隠の人が洋風スタートからショートパンツ、お腹が出ていた分の布が足され普通の隊服を持ってきてくれた。師匠的には脚が出ているのが、微妙だったみたいだけど、私的には全然平気なので、この隊服で決定した。
足も出てるし、ショートパンツのズボンだし動きやすいのは、変わらない。
『(洋風の服、懐かしい)』
ここだけ、前世の時代に戻って懐かしかったというのもあるのだが、それは私の心の中で呟いた事だった。
が、しかし。
今の私は、知らなかった。
今後の鬼殺隊で隊服関係になると毎回と言っていいほど、マッチが登場し、未来の親友と柱(数人)と隠の前田(アダ名、ゲスメガネ)との間で一つバトルが始まるなんて、知らなかったのだ。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年4月15日 14時
