第11話 透明な刀身�� ページ38
私が最終選別から帰ってきた日から、十五日後に刀が来た。そして、長が来た。
なんで？
「お久しぶりです、鉄珍様」
「久しぶりやな〜、紅葉ちゃん」
そして、師匠とどうやら知り合いらしい。
私の刀を打ってくれたのは、鬼殺隊の隊士が使っている日輪刀を打ってくれている刀鍛冶、その人達が集まる里の長さんだった。ひょっとこのお面を着けている。
なんで？
「鉄珍様、私の弟子の.....」
『仁樋咲々芽です！この度は、私の刀を打ってくださりありがとうございます！』
慌てて、自己紹介と感謝を述べた。
どうして、そんなすごい人が私の刀を打ってくれたのか？と謎に思っていると、鉄珍様が答えてくれた。
私の選んだ鉄鋼に何かを感じたらしいのだ。
そして、私の刀は他の人の刀よりも少し違うところがあるらしい。その本人は、一切それについて知らないんですけど......。
「早速、抜いてみんさい」
『は、はい』
目の前に丁寧に置かれた刀。
鞘も柄も鍔も綺麗で、言葉を失ってしまう。
恐る恐る刀を持ち、ゆっくりと柄を握り刀身を引き抜いた。
ｽｩｩ.....
『あ』
「これは初めて見る色や」
「綺麗ね」
『.......透明』
日輪刀は別名″色変わり″の刀と呼ばれている(鉄珍様のお付きのひょっとこのお面を着けた男の人に説明された)。水の呼吸だと青や水色、風の呼吸だと緑、花の呼吸だと桃色と呼吸でそれぞれ大体決まった色が出るそうだ。色が濃ければ、濃いほど適正も強さもわかるとか。
私の呼吸は自分で考えた″冬の呼吸″。
前例のない呼吸なため、何色になるかもわからない。
抜いた刀身は、水晶のように透明だった。
峰の部分も刃の部分もどちらも、透き通るような水のように綺麗で......。
それに、
『軽い』
最終選別で借りた師匠のおじいさんの刀よりも何倍も軽いのだ。刀身の透明さと合ってるような軽さ。
これが鉄珍様の......刀鍛冶の里の長が打った刀なのだ。
「紅葉ちゃんから咲々芽ちゃんの事は聞いてたんよ」
『え！？』
だから、普通の刀ではなく、こんなにも軽い刀を打ってくれたのか。
「咲々芽ちゃんが、祖父の刀で冬の呼吸を使ってた時にね？使いずらそうにしていたから、もしかしたら咲々芽ちゃんには、軽い刀が合ってるんじゃないかと思ったの」
『気づいてたんですか.....？』
第11話 透明な刀身�□�←第10話 奇跡なんて早々起こらない��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年4月15日 14時
