【鬼滅の刃】そこで見つけた六花ノ景色 (ページ37)

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第10話　奇跡なんて早々起こらない⑤ ページ37

私の肩に留まった烏は雌で、名前あるって？聞いたら「ナイ」と答えられたので、「夜明」って呼ぶことにした。今、夜が明けたからって意味なんだけど。

「ステキナナマエ！ドウモアリガトウ！」

『喜んでもらえたなら、良かった！よろしくね、』

人とのコミュニケーションの取り方はわかるけど、烏とのコミュニケーションの取り方に少し心配はあったけど、意志疎通ができれば、人も烏も関係ない。

素敵な相棒ができました！

「鬼を滅殺し、己の身を守る刀の鋼は、ご自身で選ぶのです」

そう言われて、出されたのは丸ポイゴツゴツした石。
鋼って言ってるから、石じゃなくて鋼なのはわかるけど、詳しく知らない私からしたら見た目的に石に見える。私達は、この中から一つ選ぶらしいのだ。

どうしよう、どれも一緒に......

『(あ.....)』

その中の一つの鋼。
他と変わらないように見える鋼に、目が留まった。
どこかその鋼に吸い寄せられるように、私の手が伸びていく。

私の刀は、この鋼から。

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「俺達は、ここで別れる」

「気をつけて帰ってね、咲々芽」

『ここまで一緒に帰れて良かったです......ご迷惑もおかけしてしまってゴメンナサイ』

最終選別が終わり、後は帰るだけ。
刀が出きるまで任務はないし、隊服はまだ渡されず採寸はしてきたから、師匠の元に帰って届くのを待つだけ。途中まで方角が一緒だった錆兎と義勇と帰ってたんだけど、その間色々とご迷惑をおかけしてしまった。

誘拐及びこれは今回初めてだったんだけど、ヤンデレ一歩手前みたいな人に初対面なのにいきなり告白されたという驚き。

「義勇の言う通り、本当に気を付けろよ」

『大丈夫だよ！後は帰るだけだし』

「「(それが心配なんだけど／な)」」

二人のおかげでトラブルにならずにすんだ。
すんだけど、ものスッゴく迷惑をかけた。申し訳なさ過ぎる。

『今度会えたとしたら、任務でかな？』

「だろうな、その時は飯でも食おう」

『うん、食べたい！』

次会う時はご飯を食べる約束をして、私達三人は別れた。

『(私も帰ろう)』

師匠との「必ず帰る」という約束を果たすために。
　

　

　

　

　
　

「おかえりなさいっ」

『ただいま帰りました、師匠！』

　