【鬼滅の刃】そこで見つけた六花ノ景色 (ページ25)

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第7話　え、呼吸の適性ないの？② ページ25

言葉を失い、見惚れてしまうほどの美しさ。
夜の中に広がる行灯の灯りが浮かび上がり、師匠を闇の中で印象付けた。

『【綺麗.....】』

惚けてしまうほどの舞は一つ一つの動作に無駄がなく、飛んでるように軽い体運び。揺れる舞用の衣装の裾や袖も決められているかのような動きをする。師匠の元々の美しさがよりよくわかってしまう。彼女のためにあるのでは？と錯覚する.....ううん、この舞を舞う人はみなこうなるのだろう。

『(この舞を私も覚える事になるのか.....)』

こんな綺麗な舞？
難しくナイデスカネー？

そう言いつつもこの舞を見逃さないために私の目線は師匠の動作に釘付けだ。手に持つ扇子は確実に高級品であることは遠目でも分かるし、衣装の布には細かい銀色の刺繍がほどかされている。

『(前世でも絶対に数十万は下らないよね......？この時代だと一体何枚もの福沢諭吉が飛んでいくのか......(まだこの世界の通貨は福沢諭吉や野口英世達ではないけれど感覚的なやつである))』

師匠が舞う度に見える横顔や真ん前からの顔には、緊張している感じでも険しい表情でもなく、綺麗な笑みを浮かべているというのでもない。けれど、本当に目を奪われるほどの顔と「天女様ですか？」と真顔で問いかけてしまいそうになるほどの綺麗さ。

..........師匠、結婚できるかな(綺麗すぎてモテなそう)？

『(結婚してても可笑しくない年齢なんだよね.....？)』

年齢(本当の年齢)については恐れ多くて聞けずじまい。
だが、本人からは明確な答えはもらってないし、聞いてない。予想としてはあの日初めて会った日に思った十八、十九、二十歳かな？と思っている。

この時代、女の人は早くに結婚している。
十代後半は嫁いでいるとかよく噂好きのおばさま方が話しているのを聞いたことあるし、お母さんへの再婚話も紹介していた時がある。

お母さんも師匠と同じように綺麗な人で私と同じ白銀色の......、

『？』

白銀色の髪をしていた.....よね？
あれ？

お母さんの髪は私と同じ白銀色で......、綺麗な色をしていて.....。お母さんは私の髪を撫でながら「綺麗な白銀色ね」って言ってくれてた。

『(いや、待って。私のお母さんは銀色の髪だ)』

何で今、そんなことを思ったんだろうか？

　