【鬼滅の刃】そこで見つけた六花ノ景色 (ページ23)

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第6話　剣士の修行④ ページ23

「うん、さっぱりしたわね！」

『【しましたね～】』

全集中の呼吸ができるようになった私は、全集中・常中という柱と呼ばれる人は当たり前にしている呼吸方上段的なヤツをできるようにする練習をしている。

これをしてると心臓飛び出るかと思ったり、耳の鼓膜が破れるかと錯覚しちゃうような事がめちゃくちゃある。

その時、師匠が少し悲しそうにしていたのを見た気がしたが。

「やっぱり、綺麗な顔だね」

『【そうですか？】』

もう何ヵ月も自分の顔をちゃんと見た覚えはない。
常に前髪で隠れてて目も見ないし。

「そうよ！とっても素敵。将来は素敵な女の子になるわね」

『【師匠の方が綺麗ですよ！黒髪さらさらで憧れます！】』

「ありがとう」

修行中、さすがに前髪が長過ぎるということで師匠が私の髪を切ってくれることになった。まあ、途中から紙紐で前髪結んだり、横に流したりしている。

長かった前髪があっという間になくなっていく。

「咲々芽ちゃんの瞳は躑躅色ね」

『【桃色を濃くした色って感じの色ですよね？お母さんが言ってました】』

前髪からは、躑躅色の瞳が見えた。
よく見るとグラデーションのようになっていて、少しの桃色.....桜かかった色をしている。私、躑躅色なんて今世で初めて知ったんだよね。昔、春頃に私の瞳と同じ色の躑躅の花が咲いていて、「貴女の瞳の色と同じね！」とお母さんに言われたのを覚えてる。

師匠がじっと私の顔を覗き込むように見た。
美人さんに見つめられるなんて、ドキドキと心臓が飛び出そうになるが、師匠が顔を放せばなんとかこのドキドキは収まった。

本当に美人な人に見つめられるのは、心臓に悪い。
マジで。

「咲々芽ちゃんの誘拐理由って顔じゃない？」

『【えーどうでしょうか？ただ、小さい女の子が良かったとかじゃないですかね？】』

「そうかしら？(この整った容姿が原因なのもありそうだわ)」

私を誘拐したヤツはロリコンだと信じて疑いません。
あれは確実に近づけさせちゃいけないヤツですと私は思っている。この顔が原因なら数年後も誘拐未遂とか面倒くさい事に巻き込まれると思う。

『【よし！じゃあ、私は夕げの準備をしますね】』

「私は、洗濯物を取り込んでくるわ」

『【はい、お願いします！】』

「ええ、勿論よ」

　