第4話 鬼と鬼殺隊と藤の家紋�� ページ15
「今日はもう遅い。鬼殺隊が世話になってる藤の家紋の家に行くぞ」
『(藤の家紋？)』
「二人とも怪我をしている手当てする必要があるからな」
炎柱さんに連れられて目的地は藤の家紋の家。
鬼狩りに命を救われた一族の人達が代々そのマークを掲げ、ご飯や手当てをして支援してくれてるそうなのだ。「藤」と書かれ、藤の木の植えられている場所。鬼は藤の花や匂いがダメなんだそうだ。陽の光に加え、藤の花も鬼には有効なんですって。
「辛くはないか？」
『ｺｸﾘ)......【大丈夫！】』
自分より少し背の高い少年に手を引っ張られながら繋いで歩いて行く。一歩一歩と前に進み、私は隣の少年の手をぎゅっと握り返して歩く。本当は炎柱さんが私達二人を抱えて運んでくれると言われたのだが、丁重にお断りした。外見は少女だけど中身は十代前半。いい年した奴が運ばれるのはちょった恥ずかしい。
「辛くはないか？」
『ｺｸﾘ)......【辛くない(野山を駆けるぐらいの体力はある)】』
悲しいかな、鬼と鬼ごっこにより私の体力はあると証明された。
.......あ、あの花。
見つけたのは、椿の花に似ている花。
山茶花って、花だったと思う。
綺麗だなぁ。
鬼と鬼ごっこしている時、花とかあったのかな？
見ている暇はなかったや。
『............』
私、覚悟を決めろ。
................そろそろ現実をみることにします。
脳内咲々芽がゲンドウポーズしちゃってるし、さっきの話からめちゃくちゃ聞き覚えあるなぁと一人思っていた。小芭内さんは鬼の存在を知らないから普通に聞いてたけど、私の方(脳内)は荒れに荒れた。
『(「鬼滅の刃」だ、この世界ッ......!!!!!!)』
気づきたくない真実に気づいた九歳少女、仁樋咲々芽です。
「鬼」「鬼殺隊」「刀」等々物騒な言葉や生物を見て、今やっと思い出した。長きに渡り使っていなかった脳内の前世の記憶ベース。そこにコソッとあった記憶。
『.......(マジか)』
「咲々芽、どうかしたか？」
『【何にもないよ】』
ごめん、小芭内さん。
何もないよはないです。すごく何かありますし、私にとってそれはそれは驚きな事が起こっています(ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ)。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年4月15日 14時
