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神「…何でそんな格好してるんだよ」
神威が睨みを利かせて武市を見た。
だけど顔色一つ変えず武市は話し始める。
武「A殿は先ほど、」
武「晋助殿と共に母船を立ちました」
神「…何処に?」
武「それはお教えできません」
きっと高杉にきつく言われたのだろう。
神威はそれを理解し、しゃがみこんでいた腰をあげた。
武「おや。お戻りになられるんですか?」
神「それはお教えできません」
神威は来た道を戻り、アっという間に姿を消した。
武「…やれやれ」
武「A殿は厄介な人ばりに好かれますなァ」
武「私も含め。…ですが」
カランコロンと響く下駄の音は嬉しそうに船へと戻っていった。
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神「阿伏兎」
神「今すぐ地球に向へ」
唐突に現われた神威に団員達は驚き、その言葉に阿伏兎は顔を歪ませた。
阿「いきなり何だ・・・」
神「いいから今すぐに向へ」
神「団長命令だ」
横暴な職権乱用に空気は更にピリついたと思われるが、触らぬ神威に死滅なし。
そう悟った阿伏兎が団員達に行き先を変更させる。
団「いいのかァ?」
阿「あァ、どっちみち」
阿「吉原には行かなきゃならなかったしなァ」
阿「…それによぉ」
阿「どうにも戦目的ではないらしい」
揺らぐ事のない青い目でモニターを見つめていた神威。
そんな神威は見て、どことなく嬉しそうな阿伏兎はそれ以上口を出すことは無かった。
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『 戦闘狂。恋を知りに、愛に行く。 』
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作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時