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猩「なかなか良い演説だったじゃねェか」

猩「文字通りの遠くを見据える目」

猩「完璧だったなァ」






もう数え切れないくらい並んで歩いた廊下。






貴「猩覚さんもプラカード変えるタイミング」

貴「完璧だったねェ」








猩覚の脇に挟まったプラカード。
ハハハと笑うと、するりと滑り落ちた。






「やっぱりインチキ演説だったかァ」






それを拾ったのはAでも猩覚でもなく、先ほど猩覚に紹介された第四師団秘密兵器の内の2人だった。






葵「どうもォ」

葵「夜兎族の(アオイ)と」



紅「(ベニ)だ」




葵「てかァデカイのは態度だけだね」



紅「葵、本当の事でも失礼だよ」






Aの頭に葵が手を置き、明らかにAを下に見た2人の言葉。






貴「別に私は何も思ってないけど」

貴「まァ、しいて言うなら、」

貴「この小汚い兎共を今すぐにでも」

貴「元の場所に戻してきなさい」






Aを宥める様に背中をさするが、あまり意味は無かったみたいだ。
葵達からプラカードを受け取らず、床に落ちたそれをおもいっきり踏みつけた。






葵「本当に態度だけはデケェなァ」



貴「先に夜兎を手調べするのも、」

貴「悪くないかもね?」



猩「仲間内で荒そうな!!!」

猩「A」

猩「団長なんだから少しは我慢しなさい!!!」






火花散らす3人。
猩覚がAの襟足を引っ張り、人一人分の間を空ける。そして、






猩「以後、気をつけるように」



貴「…はい」






止めた足が動き出したのは、それから30分後の事。
猩覚のお説教タイムが始まると、葵と紅は隙を見て逃げて行った。






貴「今日は疲れたから寝る」



猩「飯は部屋に運ばせるか?」



貴「んー、よろしく」






部屋に着くなりソファに倒れこみ、最後の力を振り絞ってそう言うと、猩覚が掛けてくれたブランケットに丸まるまって寝息を立て始めた。






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作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時

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