08*(鬼とバカ兎) ページ25
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高「今にも食っちまいそうな
神「…おかえり」
神「今眠ったばっかだよ」
飛んできた編み笠を片手で受け止めた神威。
腰を上げてテーブルにつくと、慣れた手つきで酒を持ち出し、部屋にはアルコールの香りが広がる。
規則正しい呼吸をするA。
寝返りを打つと、障子の隙間から入り込む月明かりが顔に掛かる。
高「白々しい奴だ」
神「ハハ、何の事?」
寝苦しそうな声が聞こえると高杉は静かに障子を閉め、その足でAの側に行き布団を掛け直した。
昔と変わらない寝顔。
神「…美味しそうかい?」
挑発か威嚇か。
無意識だろう低い声に、高杉は鼻で笑った。
高「美味かねェだろ」
高「コリャァ"毒林檎"だ」
高「お前にはまだ早ェよ。ガキ」
神「そうかな?」
神「そうでも無いと思うよ」
高「減らず口だな」
高「まァそれでも食いたいってンなら、―――−−
「 殺される覚悟をしとくんだなァ 」
禍々しい刀の光。
その言葉に神威は黙ったまま、酒を飲み干した。
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作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時