05*(地球) ページ12
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一週間など早々にたつ。
船の窓からカラフルな街が見え、団員の1人が到着を告げた。
貴「凄い久々」
猩「どのぐらい帰ってなかったンだァ?」
貴「覚えてないぐらい」
長旅で疲れた体を伸ばし、黒いマントに身を包む。
貴「行くよ」
猩「A」
猩「身元は軽々しく教えるなよ」
何人かの団員に見送られ船を出ると、猩覚がAに深くフード被せた。
なるべく人通りの少ない裏路地を通り、地図に従いながら目的地へ向かう2人。
貴「鬼兵隊って、今日の夜に到着?」
猩「そうとだと聞いてる」
猩「あァ後、神威達も江戸に来ているらしい」
猩「吉原の管理はあいつ等だからなァ」
貴「吉原?」
猩「・・・そうきたかァ」
他愛もない話をしていれば、”かぶき町”にはあっという間に着いた。
猩「ま、まァ」
猩「夜に合流する事になってるから」
貴「・・・そうきたかァ」
この件の事をAはまだ少し、根に持っていた。
貴「一発殴ろ」
猩「そんに帰ってきたくなかったのか?」
貴「別にそういう言う訳じゃないけど、」
貴「心の準備ってもんがァ―――−−」
貴「アレじゃない?」
Aの視線の先には、派手というか、豪華というか、周りに比べて明らかにお金の掛かっていそうな建物。
貴「よし見た」
猩「じゃねェよ」
貴「えェ、…」
猩「っあ!?」
猩「A!!?」
猩「ちょAさん!?どこ行くンだ!!!」
やる気など毛頭無い為、数秒見ただけで仕事を終えた気になってしまったA。
貴「夜までに帰る」
貴「だからそっちは任せたよ。副団長殿」
ぴょんと屋根の上へ飛び上がり、「バイバイ」と手を振って足早に歩き出す。
猩「っAーーー!!!」
10歩も歩けば、猩覚の声など聞こえなくなった。
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作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時