01*(再会と年齢) ページ1
・
無限に広がる闇の中を飛ぶ。一機の船。
その船が背負うマークは、銀河系最大の犯罪シンジケート”春雨”の証だ。
神「さァて、全員集まったね」
この日、春雨の提督にして第七師団長の神威が、それぞれの師団長と過激派攘夷集団"鬼兵隊"の頭"高杉晋助" を招いていた。
長いテーブルには豪華な食事が並ぶ。
神「わざわざご足労頂き、礼を言うよ」
勾「礼なんぞ要らねェ」
勾「用件を早く言え」
神「ハハ、流石に負け犬には居心地が悪いか」
勾「ッなんだっ……」
神「実は第四師団長が決まったんだ」
青筋を立てる第八師団長"勾狼"を無視して、神威の言葉に皆が耳を研ぎ澄ませた。
高「あの女に変わる奴かァ」
神「あァ。…でも、」
神「あんな雌狐よりもよっぽど使えて」
神「よっぽど上玉だよ」
背面に立っていた阿伏兎が、気まずそうに神威から目を逸らした。
神「ふっ」
神「まァ雑談は此処までにして」
神「紹介するよ」
神「入って来い―――
|
「A」
神威の呼びかけで開かれた扉。
そこからヒールを鳴らし、その音にあわせるように長い髪を揺らす女が現れる。
女はおよそ地球産では無い大きな海老を頬張る神威の横に立つと、一気に海老を飲む込んだ神威に自己紹介を要求された。
女はしぶしぶ口を開いた。
貴「白雪A」
あまりに短い自己紹介。加えて、海賊の間に歓迎の拍手などは起こらない。
神「ソコに座りなよ」
目で指したのは第三師団長と五師団長の間。
Aはそれを確認するや、鬱陶しそうに髪を払い首を横に振った。
貴「悪いけど」
貴「慣れ合うつもりは無いの」
そう動物も震える冷たい声で言い残し、Aはその場を離れていった。
.
.
.
141人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時