アイビーが運ぶ幸せは

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続き

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side 宮舘


阿｢あぁ、終わった...｣

宮｢お疲れ様｣

阿｢舘様もお疲れ様、ありがとね｣

宮｢いいえ｣


ふかふかだぁ、なんて言いながらソファに沈む阿部

ダイニングテーブルにはチョコレート菓子が沢山並んでいて
家中チョコレートの匂いで充満している

まるで阿部みたいな甘ったるい匂い


宮｢生チョコは形を綺麗にすれば完璧だし、
ガトーショコラもいい具合に溶けてるね。
クッキーは薄く伸ばしすぎたかな｣

阿｢...クッキーの厚さはホントに測らないとわかんない｣


理系の性なのか、なんとなくということが苦手らしい

いつも食べてるようなクッキーの厚さでいいんだけどね


宮｢スコーンとチョコパイは教えなくてもできたじゃん。｣


初めて作ったにしては全部上手くできていて、
さすがだな、なんて思ったり

適量ってなに！？ふたつまみって何グラム！？って
最初はうろたえてたけど飲み込みの速さはピカイチで
最後のほうはレシピを見るだけで作れるようになった


阿｢でも作るときに舘様が隣にいてくれないと
失敗しちゃいそう｣

宮｢っ、なんで、｣

阿｢ん？｣

宮｢ぃや、なんでもない｣


なんでそんなに期待させること言うの

誰にでもやってるの？

ホント自覚してよ

そういうのは、好きな人の前だけにして


宮｢俺が教えれることは全部教えたから。
あとは頑張ってね｣

阿｢うん、今日はホントにありがとう｣


一緒に作ったお菓子を
俺の分を残して半分持って帰っていった

取り残されたお菓子は阿部なりの感謝なのか
はたまた俺に気はないからこれでも食っとけって意味なのか


宮｢ホントずるいやつ｣


叶わない恋なら期待させないでよ

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