崩される日常2 (ページ1)

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49話ページ1

Ｎ side

A 「俺は中高一貫の学校にいたから、

高一の四月からといっても転入という形に

なった。決断はしたけど俺の身体と心の

回復は遅くて、結局11月から登校した。｣

だから保健室登校に...。

｢家族からも親戚からも解放されたと思ったけど

やっぱり、そう簡単にはいかない。

前も、両親の墓参りに行ったら父方の伯母

に会ってしまって、

『あんたが残っても迷惑かけてたんだから
一緒に死んでくれればよかったのに。
兄さんも義姉さんもろくな仕事について
なかったくせに、こんなお荷物残して
死ぬなんて。ほんとに、迷惑な家族ね。』

って言われて、言われ慣れてたけど

やっぱりきつくて泣きそうになる。

俺はどう頑張っても強くなれない。

弱虫のままだ。｣

あの日、生田先生に泣きそうになりながら抱きつい

てたのはそんな事があったからなんだ。

初めて聞いたまーくんの過去。

俺らが[家庭事情で保健室登校]なんて軽く決めつけ

てたけど、真実は想像をはるかに超える、俺らには

重すぎるものだった。

A 「先生達に出会って最初は本当に嫌だった｡

ズカズカ踏み込んできてしつこく絡んできて、

でもあの日、ごみ捨て倉庫から助けてくれた

あの日から先生達のこと嫌いじゃないよ。」

O 「あーばちゃん..。」

まーくんがそう思ってくれたことに俺ら4人は

もの凄く嬉しくて自然と笑みがこぼれてた。

だけど....

A 「でも、それも今日で終わり。もう俺に
関わらないで。」

｢｢｢｢え？｣｣｣｣

どいうこと？なんで？

Ｓ「ちょっとまって、雅紀？どうして急に？
俺らの事受け入れてくれたんじゃないのか？」

A 「嫌いじゃない。でも、先生達には俺は

合わない。先生達はキラキラしてる。

自信に満ち溢れて、前向きでキラキラしてる。

俺が今望んでるのは平穏。やっと手に入れた

平穏を崩したくないの。平穏は、何もなく

静かでただゆっくりと時間が過ぎるの。

俺はずっとこの空間を手に入れたかった。

でも、先生達がいたら崩されちゃう。

俺のいう事聞いてくれる約束でしょ？

俺にもう関わらないで。先生達からは逃げない｡

でも、関わりもしない。俺らはただの他人。

それだけなの。約束守ってね？｣