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早朝の商店街。
公園から続いていた残穢の道はそこで綺麗に途切れていた。
阿部は高校生の頃に着ていた青い体育着を着用し、軽く準備運動。そして一つ深呼吸し、「久しぶりだし上手くできるかねぇ……」と不安げに二本の指を立てる。
静かに目を伏せ、冷たい空気を吸い込んだ。
「――闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え」
途端、上空はみるみる黒一色に染まっていく。
仄かな光に包まれていた商店街は闇に呑まれていき、あっという間に夜が出来上がった。
帳。
結界術における最も簡単な結界。外からの視認を拒むと共に、電波を遮断する。
高専に通っていた頃はよく帳の降ろし忘れで怒られたものだと、阿部は過去を振り返り苦笑いした。
――徐に、ナイフを握る力を強める。
まだ震えはある、けれどもその目には強い覚悟の炎を灯しており、以前までの幻に怯えるだけの阿部ではなかった。
そんな最中、阿部は一人ホークスとの会話を思い出していた。
『本当に貴方だけで大丈夫なんですか』
心配そうな表情を浮かべながら阿部を引き留めるホークス。
誘ってきたのはお前だろ、と言いたくなったものの空気を読んでその言葉は飲み込んだ。代わりに柔らかい笑みを浮かべてこう言った。
『なんか、今の俺ならできる気がするんですよ』
フワフワとした返しにホークスは益々不安そうな顔をしたが、それに反して阿部はいきいきとしていた。
決してこの後待っている特級呪霊との闘いが楽しみだからというわけではない。ただ、昔の感覚が戻ってきたというだけだ、自分の力で平和を守ることができるその喜びを思い出していたのだ。
フッと小さく笑い、軽くなった足を一歩前に踏み出す。
その時だった。
「あれ、君が来たんだ。
赤い翼の彼はいないのかい？」
背後から聞こえてきた声にピタリと動きを止める。
ホークスの協力により、人払いは既に済んでいる。ここにいるのは阿部と残穢の主だけ。
ゆっくりと後ろを振り返る。
「……赤い翼の彼、というのはホークスさんのことですか」
予想通り、そこにはあの時のツギハギ呪霊の姿があった。
ツギハギ呪霊は「ああ、ホークスって言うんだね、彼。因みに俺は真人、まあ教えても意味ないだろうけどね」と呑気に自己紹介を交えてヘラリと笑う。呪霊のくせして人間のような笑みを浮かべるソレに、阿部は薄気味悪さを感じた。
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ガシヤマ(プロフ) - 本好きさん» コメントありがとうございます！ 初クロスオーバー作品だったので少し自信が無かったんですけど、そう言ってもらえて嬉しいです！ 三章は五条と夏油の関係に重点を置きつつ、呪骸型脳無の真相にズームアップしていきたい……！ とかなんとか思ったりして。 (4月15日 20時) (
レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
本好き(プロフ) - ヒロアカと呪術廻戦でこんなに綺麗なクロスオーバー初めて見ました。3章めちゃめちゃ読みたいです。 (4月14日 19時) (レス) @page31 id: 860fd688d9 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - さくらなぎ。さん» コメントありがとうございます！ クロスオーバーって難しいですね、ヒロアカと呪術をなるべく偏りなく混ぜるのは……三章、頑張って考えます！ (4月5日 15時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - コメント失礼します！とても面白かったです！ぜひ3章だけとは言わず、もっと書いて欲しいくらいに見てて大好きだなと思えました！これからも応援しております！！ (4月5日 7時) (レス) @page31 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - おかかのおにぎりさん» コメントありがとうございます！ 書き方とか結構工夫して書いたの面白いと言っていただけて嬉しいです！ これからも頑張ります！ (3月31日 15時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガシヤマ x他1人 | 作成日時：2024年3月22日 16時
