26 ページ26
.
side kosei
あれから、湧の傷を丁寧に手当てした後、何度も断ったけどAさんが家まで送ってくれた。
事務所から帰る前に何があったか話してたから、車の中でメンバーのグループLINE(弟組以外)に解決したよって送っておいたら、即座に既読が全員分付いて、
ずっとスマホ気にしてたんだろーな。
みんな口々にAさんの事心配するから、誰か俺の心配する奴いねーのかよって湧が怒ってたけど。笑
檜 「 ...もしもし 、湧？ 寝てた？ 」
元 「 いーや、お前が電話してくると思ってたから起きてた。 」
帰ってからご飯食べてお風呂入って、自室でベットに座って湧に電話をかけたら、もうだいぶ遅い時間なのに起きてた。
湧 「 ...さっきの、てかAさんの事俺がさらっと好きだって言った事だろ。 」
檜 「 ...笑 わかってんじゃん。 」
「 ...俺、この人の事好きなんで、 」
って、さっき湧が言った時、状況的に何も出来なかったけど、一瞬時が止まったように思えた。
Aさんを守るため、とは言っても、湧の気持ち知ってるから本心だってわかるし。
元 「 ...まあ、でも無かった事になるだろ、あの状況で言ったし。 」
檜 「 ... 」
元 「 今回は俺が体張ってるからチャラって事で、笑 」
檜 「 湧...、 」
元 「 ...ちゃんとしたのはいつか言うつもり。 」
さっきまで、ちょっとふざけてるいつもの湧だったのに、急に声が真剣なものに変わった。
他のメンバーもライバルだけど、湧はほんとに怖い。男の俺から見ても頼りになるしかっこいい。
無かった事にほんとになるだろうか、
今回の事でAさんが湧の事意識し始めたら…
Aさんが辛い思いしたってのに、こんな事考えてる俺、余裕ないなって思う。
元 「 ...檜山？ 」
檜 「 ...あー、ごめん。考え事。...湧、俺も負けないから。 」
元 「 …わかってる、はぁ、ライバル多いわほんと笑 」
檜 「 ...うん、あ、湧、今日はAさんの事守ってくれてありがとう。」
元 「 おー、これでAさんも安心出来るな。」
明日からは辛そうな顔じゃなくて、いつものAさんの笑顔に戻ってるといいな。
Aさんの事、俺たちで助けられてよかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 239人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あい | 作成日時：2023年3月23日 2時
