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side kosei
レッスン終わりに、ちょっと残って練習したらすっかり遅くなってしまった。
電車の時間を確認しながら歩いてたら、スタッフさんの部屋の電気が付いていて、挨拶しようとノックしてみたけど返事が返ってこない。
檜 「…誰も居ないのかな、 」
でも、一応ね、
そう思って少しだけ開けたドアの隙間から中を見ると、
あれ、誰か寝てる？
書類やらノートやらがたくさん置いている机にふせて寝ている誰か、よく見たらAさんで
静かに近づいて、目の前まで来たけど、気づいてないみたい。
『 …ん、』
檜 「 ……かわい、」
目にかかった髪をはらうと、少しだけ反応したけど起きはしなかった。
幸せそうな顔で寝てるな、寝顔も少し幼くてかわいい。
周りを見渡すと、たくさんの書類の中に予定がびっしり詰まったスケジュール帳。
綺麗な字で書かれているそれを見ると休みなんてほとんど無くて、
俺たちの前では常に笑顔で、疲れた顔なんて見せないけど、本当はかなり疲れてるんだろうな、
檜 「…ありがとう、いつも。」
『 ……ん？あれ、…檜山くん？』
起こさないようにって、小さな声で言ったつもりなんだけど起こしてしまったみたい。
寝起きでいつもよりふわふわしてるAさんは周りをきょろきょろして、俺を見つけてきょとんとしてる。
檜 「 うん、おはよ。起こしちゃってごめん。」
『 …うわぁ、私寝ちゃってた…ごめんね檜山くん、』
ようやく状況を把握したらしい、
寝起きのとろんとした顔は焦った顔になって
え、もうこんな時間？！って時計を見てびっくりしてる。
檜 「 仕事は？まだ途中？ 」
『 えっと…いや、大丈夫。キリのいい所までは終わらせてるから。』
檜 「 そっか、よかった。」
『 檜山くんは？残って練習？ 』
檜 「 うん、ダンスで気になる所があって、」
『 もうこんな時間だし、良ければ近くまで送るよ？』
檜 「 まだ電車あるし、大丈夫だよ。」
『 遠慮しないで、明日も仕事でしょ、そんなに遠回りする訳でもないんだし。』
檜 「 じゃあ、お言葉に甘えて…」
『 うん！ちょっと待ってすぐ片付けるから！』
Aさんの車で送ってもらうことはたまにあるけど、久しぶりだし、2人きりは初めて、
バタバタと片付けをしてるAさんのお手伝いをしながら嬉しくてにやけそうになるのを必死に隠した。
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作者名：あい | 作成日時：2023年3月23日 2時
