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Side BLACK



「じゃあ、やっていくからね。」

またガチャガチャと音がして、「入ったよ〜」と声をかけられる。
最初は平気だったけど、

「んーーーーっ、ぃたいたいたい!」

「はいはい、もうちょいだよ〜」

途中はよじれるような痛みがチクリとして、声が出た。

「よし終わり。頑張ったね」

「……はぁー、疲れた」

「北斗くん、痛がりさんだからね」

一気に力が抜ける。
少々息が上がったのは仕方ない。
黒田先生はそんなこと言うし、麻酔の効きがいい人は案外最近じゃそこまで痛くないらしいけど。
俺は最初は大丈夫だけど、途中が本当に感覚的にも気持ち悪いのも相まって、痛みを感じる。
なるべくならやりたくないものだ。


「北斗さん、ちょっと出血多めだから押さえますね〜」

秋山くんにグググっとガーゼを押さえられて、また体が強張る。

さっき採血で血を抜いたばかりだし、ゆっくりと深呼吸。


「よし、終わりました。お疲れ様です」

そうこうしているうちに、ペリッとテープが切られる音がして、ガーゼが貼られたらしい。
少し顔を横に向けると、秋山くんがペコリ、と軽く会釈をしてくれた。
笑顔が教祖様のように感じる。



起き上がると、黒田先生が聴診器に耳をかける。
乱れていた検査着の前開きの間から、それが心臓のあたりに当てられた。
ドキドキしているが伝わっているのが恥ずかしくてまともに顔を上げられなかった。


「……結果はまた来週ね。
今日は着替えたらもう帰っていいよ」

それだけ言われて、俺はやっと安堵のため息をついた。






「よく頑張ってるよ。
こないだの血液検査も悪くなかったし。
そんなに心配しなくても大丈夫。
きっと移植した細胞も頑張ってくれてるからね」

黒田先生は、手を動かしながら、こちらを見るでもなく、そう言っていた。




横顔のマスクが白いからか、耳が赤い気がした。


fin

繰り返し《リク》→←__



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H.M. - あーちゃんさん» ありがとうございます。年齢設定がしてあるようで表示されませんでした。【夢の中で】は読めないようなので【Rollin'シリーズ】のほうを楽しみにしていたいと思います。お手数おかけいたしました。 (2020年3月3日 11時) (レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» 拍子ではなく、表示でした。失礼しました。よろしくお願いします。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» ←「あーちゃん」を開いて頂くと、私の作者ページに飛ぶと思います。そちらで拍子できない場合は、18歳以上の年齢設定をしてないと思われます。申し訳ございませんが、これ以上のお答えは出来かねますので、ご容赦ください。ありがとうございます。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
H.M. - 【夢の中で】をどうすれば読めるでしょうか?よくわからなくて… (2020年3月3日 8時) (レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - y_さん» いつもご愛読、コメントありがとうございます( ; ; )またお楽しみいただけるよう頑張ります! (2020年3月2日 22時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーちゃん | 作成日時:2020年2月7日 16時

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