Rollin'【番外編8】

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Side YELLOW



「こち、こーち！」

「ん？」


体を揺らされて起きた。
あまりに北斗が苦しそうで、病院についいてからも結構大変だったから、
ようやく落ち着いて穏やかに眠りについたとこ見てたら、いつの間に寝ていたんだ。
俺より北斗が先に起きるなんて、春は眠いな。

「なんだか珍しい光景ですね(笑)」

「あぁ、すみません。もう大丈夫なんですか」

黒田先生に言われて恥ずかしくて顔が少し熱かったけど、話題を北斗に戻す。

「アレルギー炎症による喘息ですね。原因はやっぱり花粉だね。
お薬を出しておきますが、朝晩は特に気をつけてください。
花粉の季節はまだ始まったばかりだからね〜しばらくつらいだろうね」

「やだな〜でも薬飲んだら鼻の通りもよくなったし、くしゃみも止まったし、まだ楽かも」

「高地くんが連れてきてくれて本当によかった。お礼言いなよ？」

「どーしよっかなぁ〜(笑)」

にやにやする北斗に「言えよ！」なんて突っ込みつつ、茶目っ気たっぷりに笑われるとやっと安心した。





どうして、北斗なのかな。と時折思う。
ジャニーさんがなくなった今、それはもう聞けることはない。
あの人が生きていたってきっと答えてはくれないし、むしろ怒られるんだろうけど。



なんて、昔から二人して花粉に苦しめられてきたのを思い出して少しおセンチになる。
もう夕方遅い時間だったってのもあって夕飯をマネージャーさんも一緒に食べて、俺も薬を飲んだ。




「ゴホゴホッ、っ、はぁ…薬、切れたかな…」

心配だったからそのまま北斗ん家に送ってもらって今日は泊まることにした。
シャワーを浴びてリビングに行くと、少し辛そうな北斗。

「北斗、ちょっと熱出てきたんじゃない？先生も少し貧血気味だから気をつけてって言ってたし」

「せっかく薬効いてたのに、コホッ」

「疲れてんだよ。酷くなる前に早く寝よう。立てる？」

少しふらついたものの何とか支えて歩けて良かった。
腕を腰に回したら、少しばかり小さく感じられて。



「苦しいだけ？辛いとこない？」

「ん…水、飲みたい…ゴホゴホッ、…」

発作ではないんだろうけど、乾いた咳を繰り替えす北斗。
横になるのは苦しいようで、枕を壁と背中にの間に入れて持たれて座っている。

「分かった。吸入器、置いとくよ」

「ん、早く戻って来て」

「なんだよキッチンに行くだけじゃん(笑)」

捨てられた子犬かよと言わせんばかりの上目遣いを背に寝室を出る。

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