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Side YELLOW
最終通しで、ジュニア達がローラースケートをする場面。
その周囲で俺達は声出しをしていた。
「危ない!」
キーーーーン!とマイクの高音の独特な機械音。ハウリングに思わず耳に手を当てて、顔をゆがめた。
目を開いたその時。
尻もちをついたジュニア達二人。
「北斗、北斗が落ちたぞ!」
深澤くんの声がした。
へっ?と情けない声を出して、下を除けば、うつ伏せで倒れている北斗。
1秒たりとも見逃さないつもりだったのに。
バッと飛び降りる慎太郎。
高さは慎太郎の身長より少し高いぐらいだから、そこまでないけど。
「っ、傷口が!出血してるからすぐタオルとか持ってきて!」
慎太郎が近くにいたスタッフさんに叫んだ。
「うぅ、はぁっ、いたぃ…」
出血が酷いのは元々あのときに怪我していた左腕のようだった。
「ごめ、…はぁっ、俺…ボーッとして、て…
足も、痛く、て…踏ん張れなくて…
怪我してたなかったら……落ちなかった、し、
避けられた…はぁ、だから、二人は、…悪くなぃ、から」
「わかったわかった、もう喋るな」
樹がタオルで出血を抑える。
俺はうつ伏せだったのを仰向けにさせて、頭の下に枕代わりにタオルを入れた。
もともと背中から腰も強打していたし、変な体制でいるのは痛みがあるだろう。
まぁ、また怪我をしてしまったろうから、なんとも言えないけど…
「どこが痛い?頭打った?」
大我が前髪をかき分けながら聞く。
俺もすこし髪をかき分けながら、傷がないか見回した。
「いや、……顎打った…から、…口の中、噛んじゃって…」
喋り方がなんとく呂律が回ってないのはそのせいか。
「…ここか…痛いね。冷やそうね」
大我が氷をあてがう。
左頬と首の間のあたりに青いあざができていた。
「膝もやっちゃってるわ。
北斗、これ一回消毒したほうがいいかも。えぐれちゃってる。」
見てみると、衣装が破けて縫目が傷口に触れている。
「はぁっ、はぁっ。し、んどい…」
「…体温、下げるの良くないかも。俺、わっかんないわ」
北斗の顔色が悪くなってきて、大我が慌てて氷を外す。
「あぁ゛っ!いたぃ!」
ジェシーが消毒液で傷口を流しているのはいいが、痛みに耐えかねた北斗が動いてしまい、慎太郎が足を抑えている。
「が、頑張って!動かないで北斗!」
樹も悶える北斗にタオルを抑えるのが大変らしい。みかねた大我が手伝う。
「きゅ、救急車呼ぼう。これじゃ出血が!」
そう叫ぶしかなかった。
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H.M. - あーちゃんさん» ありがとうございます。年齢設定がしてあるようで表示されませんでした。【夢の中で】は読めないようなので【Rollin'シリーズ】のほうを楽しみにしていたいと思います。お手数おかけいたしました。 (2020年3月3日 11時) (レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» 拍子ではなく、表示でした。失礼しました。よろしくお願いします。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» ←「あーちゃん」を開いて頂くと、私の作者ページに飛ぶと思います。そちらで拍子できない場合は、18歳以上の年齢設定をしてないと思われます。申し訳ございませんが、これ以上のお答えは出来かねますので、ご容赦ください。ありがとうございます。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
H.M. - 【夢の中で】をどうすれば読めるでしょうか?よくわからなくて… (2020年3月3日 8時) (レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - y_さん» いつもご愛読、コメントありがとうございます( ; ; )またお楽しみいただけるよう頑張ります! (2020年3月2日 22時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちゃん | 作成日時:2020年2月7日 16時