____ ページ12
Side YELLOW
「ちょっと待ってこーち!」
泣いている顔を見られたくなくて、楽屋を出ようとすると、慎太郎に腕を捕まれそう止められた。
「ゴホッ、ゴホッ、こ……ち……」
ハッとして振り返れば、慎太郎越しに樹に体重をかけて体を起こしている北斗。
「……何かあったんなら話してよ。
それとも、秘密にしておくつもり?
…北斗、こんなんな辛そうにしてるの…見てらんないよ」
大我が俺に少々不審な目をして見上げてくる。
「ちがっ!これはっ、…はぁっ、はぁ、高地は悪くないっ」
か細い声で北斗が言う。
大我は戸惑ったようだった。
そこから北斗は、あの日のことを話し始めた。
俺も慎太郎も、北斗のそばでみんなで円になって座る。
時折、辛そうに咳をしたり苦しそうにするのを見るたび、こちらまで苦しくなってしまって、もう泣き顔を見られたくないなんていう余裕もなくポロポロ泣いてしまう。
そんな俺を見て、大我も背中をさすってくれた。
「…高地、あのね…オレね…
今ならわかるよ。ジャニーさんが…はぁ
俺と高地は相性がいいからって、言ってくれた意味を…でも、」
「もういいからっ」
俺は肩を大きく動かして話す北斗にこれ以上何かを言われたら耐えられないと思い、遮った。
「苦しんでたの、知らなくてごめん。
今日のことも、俺ら“エモいね〜”なんて言って、喜んじゃって」
ジェシーが北斗の頬の涙をすっと拭って言った。
「でもさ、それは事実じゃん。
確かに色々あったけど、4人ともこうして、まだジャニーズのアイドルやってるんだよ。
凄いことだよ」
大我が笑う。皆も頷いていた。
「…周りになんと言われようと、俺らは俺らじゃん。あいつらだって、過去があって今がある。」
「そうそう。誰かと比べられたって、北斗には北斗の、高地には高地の良いところがあるんだから。」
樹と慎太郎が少し涙ぐんでそう言った。
「ふっ、お前らも年取ったんだな(笑)」
そんな姿が面白くて俺もつられて笑った。
“高地はおじいちゃんじゃん!”なんて総ツッコミされたけどね(笑)
ここにいる6人全員、過去を乗り越えてはないかもしれないけど、積み上げて磨き上げてきたものが確かに有るから。
「…でもね、」
そう口を開いた北斗に視線が集まる。
「俺、この6人全員に、一緒にいる意味があったって思えるようにしたい。」
「…一緒に頑張って行こうね〜」
「それは俺のセリフだから取んないで!」
赤く染まる頬にまた笑った。
fin
415人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
H.M. - あーちゃんさん» ありがとうございます。年齢設定がしてあるようで表示されませんでした。【夢の中で】は読めないようなので【Rollin'シリーズ】のほうを楽しみにしていたいと思います。お手数おかけいたしました。 (2020年3月3日 11時) (レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» 拍子ではなく、表示でした。失礼しました。よろしくお願いします。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - H.M.さん» ←「あーちゃん」を開いて頂くと、私の作者ページに飛ぶと思います。そちらで拍子できない場合は、18歳以上の年齢設定をしてないと思われます。申し訳ございませんが、これ以上のお答えは出来かねますので、ご容赦ください。ありがとうございます。 (2020年3月3日 9時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
H.M. - 【夢の中で】をどうすれば読めるでしょうか?よくわからなくて… (2020年3月3日 8時) (レス) id: 419573d787 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - y_さん» いつもご愛読、コメントありがとうございます( ; ; )またお楽しみいただけるよう頑張ります! (2020年3月2日 22時) (レス) id: 2a9750e174 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あーちゃん | 作成日時:2020年2月7日 16時