__ ページ10
Side PINK
「……っ、やべっ!ねてた!」
「北斗!!そんな急に起き上がったら!」
「っ、うぅ、ハァッ……はぁ、」
少しして急にバッ!と体を起こした北斗。
案の定、目眩を起こしたみたいで、反射的に受け止めた。
二人で並んで横に腰掛けて、北斗の背中を擦る。
「はぁっ…し、ごと
……こんな、休んでる暇、無いから」
「待って、ちょっと落ち着いて!
もうとっくにレッスン終わっちゃったよ」
北斗は立ち上がろうとするけど、
もちろん無理で、フラフラ。
俺より体格の大きな北斗を支えるのに手間取るけど、もう一度座らせた。
「っ、何で起こしてくんないの」
時計を見た北斗は唖然としたようだった。
もうとっくにレッスンの終了時刻を過ぎているから。
皆も一足先に帰っていった。
「だって、最近まともに寝てないでしょ?」
「でも、本番まで時間ないのに…」
そう言って眉を下げる姿は子犬のようだけど、
苦しそうで、辛そうで、こっちまで泣きたくなる。
だけど、寒気も収まったのか、良くも悪くも少し体温が上がってきて、だけど心地良さそうに眠っていたところ起こすことはできなかった。
「……北斗、忘れたの?
せっかく繋いだ命でしょ?」
君が眠っていた時間、
俺らはどれだけリアルに君を失うことを想像したか、
あのときのことを考えれば、多少嫌われたって、
俺は君の体を大切にする。
「忘れてなんか無いけど!
けど、…だから、皆に置いて行かれたくないよ」
「だけど、今、俺たちは
北斗が生きていてくれればそれでいいんだ。」
北斗は、その言葉を聞くと、諦めたように
ポロポロと涙を流した。
「北斗、よく頑張ってるもん。
今日一日サボったって、誰も怒らないよ。
置いていったりもしないから。待ってるから。
一緒にゆっくり歩いていこう」
少しだけ熱い頬をそっと撫でる。
涙の跡が残らないように。
Fin
725人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーちゃん(プロフ) - マイラさん» コメント、ご愛読ありがとうございます🥰私にとっても大好きな作品なので、たまには更新できるように頑張りますね✨ありがとうございます! (2022年8月21日 11時) (レス) id: b62bd82bc0 (このIDを非表示/違反報告)
マイラ - Rollin'シリーズ大好きなのでたまに更新された通知がくると嬉しいです!!これからも楽しみにしてます。頑張ってください (2022年8月21日 0時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 佑妃奈さん» ご愛読ありがとうございました😳コメントとても嬉しいです💌はい!またフラッと更新しますので(笑)お付き合いよろしくお願いします✨ (2022年4月16日 15時) (レス) id: b3f31bb09f (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます😊気づくのが遅くなってしまいました(ó﹏ò。)💦💦また更新される時を楽しみにしてます!! (2022年4月16日 13時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - サンリオさん» コメントありがとうございます!またふらっと更新すると思いますので、今後も応援よろしくお願いします(^^) (2020年9月17日 8時) (レス) id: d58af8230a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あーちゃん | 作成日時:2020年6月18日 0時