Rollin'【番外編10】

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Side RED


「……ほーくちゃん。」

「…じぇしぃ、、？」


部屋に戻ったら言われたとおりにソファーに寝転んでいた北斗。
しばらくそのまま寝かせて、目元にかけていたホットタオルを外したら眩しそうに目を開いた。


「だいじょうぶ？」


「…もうこんな時間か、」

「メイク行こう…？」


ゆっくりゆっくり起き上がる北斗。


「うわっ…」

「あぶなっ、北斗！」

「ﾊｧｯ､…はぁっ、はぁ、」


数歩歩いたところでふらっとしゃがみこんでしまって、慌てて支える。
動悸がするのか胸を押さえて荒っぽい呼吸をする。



「もぉやだ……しんどぃ、」

目が回るのかギュッと目尻を押さえて、もう片手は床に手をついている。


「しんどいね。ゆっくり深呼吸しよ。」

包み込むように抱きしめて、ゆっくり背中を擦る。


「んっ、…ふぅ、……ぁぁ、もう、」

落ち着き無く手を擦ったり、グーパーしたり、ぶらんぶらんと動かしたり。



「立てそう？」

「…じぇす、」

「ん？」



「…ごめんね。さっき」

「あはは 気にしないでいいのに。」

「でも、やっぱり…」

「うん、分かった。でも、許す。」



「ふはは、なんか、会話になってないよ今の」

「でも分かるでしょ？」



ようやく北斗の黒目がゆらゆらと俺を捉える。


「笑ってるのが一番いいよ、ね？」


少し耳を赤くした北斗の腕を自分の肩に回す。



こんな状態で仕事をさせるのもするのも辛いけど、これが俺達が選んだ道だから。

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