Rollin'【番外編10】

安堵《リク》 ページ4

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現実のコロナウイルス禍設定でのお話です。
気分を害された場合は申し訳ございません。
ただ、ご本人たちには何ら関係のないお話ですので、全て作者の妄想です。

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Side PINK


「…北斗、帰って大丈夫みたい。
最近涼しくなってきたから体が季節の変化に付いてかなかったのかもね。
喘息だけ気をつけてって言ってたよ」


高地に黒田先生から連絡が入り、
俺達は分かりやすく胸を撫で下ろした。



「じゃあ、俺、行ってくるわ」

「おねがい。何かあったらすぐに連絡して」



樹にテキトーに返事をしながら、次の仕事のあるみんなよりも早く楽屋を出た。
今日は土曜日、高地と樹はらじらーとANN。
ジェシーと慎太郎はドラマ。

つまりは、北斗のそばにいれるのは俺だけってことだ。




「北斗、おはよう。起こしちゃったね」

「ん、……ｹﾎｯｹﾎｯ、ごめ」

マネージャーの車に乗り込むと北斗は少し目を開いたあと、咳をして目を瞑った。



「良かった、…何にもなくて」


俺は北斗の隣に座り、肩に寄りかかるように言った。
素直に応じた北斗は少し泣いているのか、
それともただ呼吸が苦しいのか、両方か、
とにかく、大きく胸を動かしていた。


「黒田先生と、……はぁ、…同じこと、言うんだね」


「黒田先生より俺の方が心配してたよ、」


「ふはは、……ごめん、ｹﾎｯｹﾎｯ」



2日半前、仕事現場につくなり検温に引っかかった北斗。
流行り病の検査が陰性とでるまでの間、
会えない間どれだけ心配したか………



黒田先生のおかげで、
北斗は特例措置で入院させてもらえていたけど、
俺達が会いに行ける状況でもなくて。
今日からは思いっきり甘えさせてやってくれって皆から言われてやってきた。


「今日は俺、泊まってもいいかな」

「……あり、がと」


まだ熱が下がらないのは、少なからず、
ここ最近の無理が祟ったせいもあるだろうし、
喘息の発作が続いていて、夜中も寝れてないせいだろうと黒田先生が言っていた。



俺も眠れなかった。
結果が出るまで安心はできなくて。
北斗もそれは同じだろうと思う。



「……ﾊｧｯ、ヒュッ……ん、けほっけほっ！」

「大丈夫？」


車から降りるなり、寒々しい空気に耐えられなくなったのか咳込む北斗。

マスクからはみでる目は虚ろだ。

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