Rollin'【番外編10】

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Side BLACK



「みんな何してんの、撮影終わったの？」

「そう、終わってすぐ皆が電話してやろ〜って」

「そ、なんだ」


目は合わさずスマホに映るツーショット越しに頷いた。
YouTubeのために持ってきたのであろうスマホスタンドに京本のスマホを設置して、そこからしばらくは長い長い雑談。




ケラケラ笑っていたら、いつの間にか全ての下剤を飲み干していた。


『てかもうこんな時間じゃん。北斗寝るだろ、おやすみ』

「えっ、いきなり？…ぁ、うん、えっと……」


なんて言っているとブチ切りされて。


いつもと変わらない皆に酷く、満たされていた。




かけ直して、もう一度、今度は本当に切ろうとしたところで、俺のスマホが鳴る。



「………っ、はぁ、…俺もだあくんも陰性だって」


皆の顔もほっとしていた。




みんなと通話を切ると本当に2人きり。



「……黒田先生とは仲直りできた？」

「あぁ、……別に喧嘩の内にはいんないよ」

「ふーん、笑」



そんな微妙な空気が流れたのもつかの間。
すぐに眠気が襲ってきた。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



「……っ、きた、」


次に目覚めたとき、体の不調は酷く無かったが、
下剤が効いたことと熱が下がったことから体中に冷汗をかいていた。


何度もトイレを往復しては目を閉じ、意識が飛びそうになったらすぐにトイレ。

いつの間にか京本は部屋に居なかったから、放っておいてくれたのは有難い。




「……しんど、」


これだけ頑張ったんだから何事もありませんように。
だあくんに運転してもらい、黒田先生と何故か京本と共に病院に向かう。




「別に寝てたら良かったのに」

「…今日の検査ってどんな感じなんですか？」


俺のことを完全に無視した京本が先生を見つめる。



「下部消化管内視鏡検査…まぁ簡単に言うと大腸カメラだね。下から入れるんだけど。
ポリープとかみつかればその場で切除したり、粘膜や糞便の一部を採取し病理検査や細菌培養検査に提出することもできる。」


「……先生がするんでしょ？」


「だからしないってば。笑
鎮痙剤打つから主治医として同行はするけど」


「注射すんの、え、やだよ、俺」


「大腸の動きを止めるためだから必要なことだし、注射ぐらいいくらでもやってきたでしょ」


「え、待って！？意識ある中やるの？それはそれでやだ！ドキドキじゃん！」

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