Rollin'【番外編10】

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Side BLACK


「けほっ、……ゲホッゲホッ、はぁっ、」

咳で目覚めると酷い悪寒と目眩ですぐにもう一度目を閉じることになる。


「はぁっ、……ﾊｧｯ、ゲゲホッ！ﾋｭｯ」


まじかよ、喘息！？このタイミングで、？


ギュッ、と胸をおさえて咳き込む。


「ﾊｧｯ、…うぅ、ゲホッゲホッ、ﾋｭｯｰｯ、はぁっ」


やばいやばいやばいやばい。
起き上がれない、…苦しい、死ぬっ！



「はぁっ、……ぅ、けほっ、ゲホッ…ﾊｧｯﾊｧｯ」


ドサッ、とベッドから転げ落ちて、匍匐前進のようにしてカバンに向かう。




「はぁっ、はぁっ、………んっ、ゲホッゲホッ」

寒さと苦しさで手が震え、ポーチのチャックがうまく開かない。



「ﾊｧｯﾊｧｯ………はぁっ、ﾋｭｯ、……ゲホッゲホッ」


やっとこさ取り出した吸入器にすがりつく。
多分、体起こしたほうがいいけどもう力が入らなくて、床に倒れたまま。


さっむ、、まさかと思うけど、熱出した？


チラッと視界に入った窓の外はまだ薄暗い。
彼は誰時、と言うやつだ。


「はぁっ、……はぁっ、……ﾊｧｯ」


少しだけ落ち着いてから体を起こす。
壁にもたれて、床に座ったままで、窓の外をボーッと眺めた。




……昨日、テレビつけっぱなし。
そのくせ加湿器つけてねぇし。


電話のあとそういえば記憶がない。
そりゃ喘息もでるわ。


「……あー、だめだ………けほっ、こほっ、
このままここで死ぬのは困る」


まだ若干の咳が有るので、吸入器を手に持ったままカバンを引きずるようにしてベッドへ向かう。ハイハイ歩きみたいな感じ……



カバンから上着を取り出して1枚羽織る。

「んんー、…気持ちわるい……」

ベッドに横になっていると、貧血のせいか天井がくるくる回って思わず腕で目元を隠す。


ホテルのベッドはさすがに極上のふかふか具合だが、今の俺には少々寒い。


フロントに電話して、毛布を貰おうかな…

でもこんな明らかに熱あるやつ、ご利用お断りなんじゃねぇの。
聞いてなかったけど、俺ここにいていいの？

熱、……そうだ、熱、測って、先生に報告……


「はぁっ、……んん、……ゲホッゲホッ…うぅ、」


布団の中で膝を抱えて丸くなる。
まるでこたつの中の猫。


「……これやばくない？…どーしよ、、」


表示の高熱にビビる。
とりあえず、先生に送って…薬、飲まないと…
てことは、何か食べなきゃ。


……昨日、PCR検体は提出してるけどどうなるだろう。


つーか、トイレ行きてぇ。腹痛え。

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