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Side BLACK


「雑音もないし呼吸は問題ないようだけど…
…ちょっと体温低かったみたいだね。例の薬のんだの?」

「んーん。
先週…は喘息も出たけど、吸入しかしてない。
それからは調子良いから飲んでないし…
あぁでも、帰りが遅くて、最近は湯船にきちんと浸かってないかも」

「基本的に医師の言うことを聞かない不良患者の優良なところは長風呂が好きなことだったのに。
このところ冷え込んでるから、なるべく湯船に浸かってね」


俺と目もあわせずにカルテにまた何かを書き込んでそう告げる。


「……ねぇ、先生っていつもこうやって患者のことイジメてるの?」


秋山くんは苦笑いをしていた。


「…そうそう。大切なお知らせ。
暫くの間、いつも使ってもらってる裏口とあのエレベーターが工事になる。
通れなくなるわけじゃないけど、詳しいことは案内見ておいて。」

「りょーかい」

先生は封筒から少しだけ見せたチラシを
また封筒にしまって俺にくれた。


「じゃ、お酒はほどほどに」

「………さよなら〜笑笑」


釘を刺されたけど今日は大切な日。
呆れたようなため息が背中に降り掛かった。



薬局で薬をもらって、ワゴン車に乗り込む。


「お待たせ。」

「遅かったね、どうだった?」

「問題無し。」


頷いたマネージャーは前を向いてハンドルを握ってくれた。


「なにそれ」

「なんか裏口が工事になるらしくて」

「通れなくなるの?」

「えっと……」


いつもは持っていないような封筒を持っているから、樹は気になったみたい。

「……ふはっ、…なにこれ、笑」

封筒の中身を取り出した俺は思わず吹き出した。



もちろん、工事の案内は本物だったけれど。


____1周年、おめでとう。そして、お疲れ様。


そんなメッセージの入った、
世界で一番温かいチラシだった。



「寒くない?」

「うん、ありがとう」

後ろの列からブランケットが渡される。
振り向くと慎太郎が笑っていた。


膝に掛けて暫く、移動車では寝ないのが常なのに
いつの間にか眠ってしまっていた。

__→←1ST



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あーちゃん(プロフ) - マイラさん» コメント、ご愛読ありがとうございます🥰私にとっても大好きな作品なので、たまには更新できるように頑張りますね✨ありがとうございます! (2022年8月21日 11時) (レス) id: b62bd82bc0 (このIDを非表示/違反報告)
マイラ - Rollin'シリーズ大好きなのでたまに更新された通知がくると嬉しいです!!これからも楽しみにしてます。頑張ってください (2022年8月21日 0時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 佑妃奈さん» ご愛読ありがとうございました😳コメントとても嬉しいです💌はい!またフラッと更新しますので(笑)お付き合いよろしくお願いします✨ (2022年4月16日 15時) (レス) id: b3f31bb09f (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます😊気づくのが遅くなってしまいました(ó﹏ò。)💦💦また更新される時を楽しみにしてます!! (2022年4月16日 13時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - サンリオさん» コメントありがとうございます!またふらっと更新すると思いますので、今後も応援よろしくお願いします(^^) (2020年9月17日 8時) (レス) id: d58af8230a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーちゃん | 作成日時:2020年6月18日 0時

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