助けては ページ4
休みの日に嘆きの島でイデアとゲームする約束をした。
ゲームはしたけど途中で俺は適当に「少し、トイレに行って来ます。」と言って出て行き、
俺は自分の魔法で使った訳ではない、他の人の魔法を使った。
この世界を察している者のは分かるだろう。
さて、何故俺が他人の魔法を持っているか。それは数週間前に遡る。
俺は最初にアズールと契約を締結した。
僕はVIPルームでAと契約をすることになる。
一対一で向き合う。
彼が僕に契約を結ぶのは非常に稀。
だから彼がどんな望みを僕に言うのかが気になった。
学力の面か、外見の面か?
何を願うかを想像しながら彼の表情を見る。
いつもの澄んだ顔で一切の揺れを感じない。
暫くの沈黙後、彼は「望みは」と一白置き、淡々と口を開いた。
「アズール、貴方のユニーク魔法です。」
僕は息を飲み込む。
今まで僕は多くの生徒と契約を結んで来たが、一度も自分のユニーク魔法を要求された事はない。
僕のユニーク魔法は、契約の取引。
依頼主は大抵は利益の為に契約するのは分かっているが、これは前代未聞だ。
Aは変わらず岩のように堅い表情で理由を言う。
僕と同じように取引先として契約を結びたいからだ。
ただ取引をしたいだけなら、口約束で十分だ。
でも言葉の中に、そうはいかない欲望があるのを察した。長所を自分のものにするつもりか。
そう問えばAは頷く。
僕は少しため息を吐いて、柔らかくなった気持ちで微笑む。
「良いですよ。」
彼はトランクの中から何か取り出そうとするが、僕はその手を止める。
「支払う必要は無いですよ。」
Aは首を傾げる。
対価の要求をされると思ったのだろう。
「物ではなく話相手を対価として」と言えば納得してなさそうにトランクを床に置いた。
お前は気づいていないだろう。
僕がお前に借りを作ったことに、僕がお前に感謝していることに。
借りを作ったのはまだ小学生の頃。
あの忌まわしいアイツらの前にAは一言だけ言った。
「そんなに寄っていじめて、恨まれていじめられて殺されたいの?」
重い沈黙が流れた。
「復讐したくなるのはいつだっていじめられた側。海の魔女も元々はいじめられていた。醜い者扱いされたら嫌な気持ちになる。だからこそ苦しめて殺したくなる。楽な気持ちにならないように。」
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たろ。(プロフ) - パ、パ、パ、パパぁ!!!!! (2022年7月7日 15時) (レス) @page9 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柳玲霊鑑 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/be moon
作成日時:2021年11月28日 19時