四拾弐 ページ45
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『へー、でも僕は良いかな。そんな大して生きたくも無いし』
無惨「何故だ?」
『取り敢えず座る?』
ずっと立ちながらだったし、近くに丁度いい高さの岩を見つけたから指を指しながら聞いてみた。
無惨「何故私が汚い岩等に腰掛けにゃならんのだ。」
偉そうだなぁ?!
僕は自分の羽織を岩に引いた。
『これならいいでしょう?今日は血も浴びてないし汚くないと思いますけど。』
そう言うと無惨は「なんだコイツ」見たいな目を向けてきた。
『綺麗な瞳ですね。』
無惨「ほう?」
無惨は僕が引いた羽織の上に腰掛けた。
『僕の目は水色であんまり綺麗とは言えないから。』
無惨「そうか?私は綺麗だと思うが。」
ほ、ほ、褒められた……?
鬼の一番上に……?
『……ありがとうございます……』
僕は顔を背けながら答えた。
無惨「おい、何故目を逸らす?」
無惨は強引に頬を掴み、顔を動かす。
見られたくない。だって今の僕の顔は、
『ッ…///』
真っ赤だから。
無惨「何故照れる?」
『ほ、顔の事なんて褒められたの初めてで……嬉しくて』
無惨「私は鬼だ。お前の敵だぞ?そんな奴に褒められて何が嬉しい?」
『鬼でも元は人間だしちゃんと感情もある。悪くない鬼も居る。
だから……その、普通に嬉しい……』
無惨「ッ……私は何十何万と殺し喰って来たが?」
『それを言えば人間だってそうじゃないですか?
人間だって生きる為に動物や植物を容赦無く殺して食べる。
中には人間を殺す人間だって普通にいる。
なのに鬼だけ咎めるって可笑しくない?』
無惨「じゃあ何故お前は鬼を狩る?」
『任務だから。童磨だって任務だったから斬りかかった。
別に任務じゃなけりゃ僕の意思では殺したりしない。現に今もお喋りしてるだけだし。』
そう言えば無惨は少し微笑んだ。
かっこいいなぁ、この野郎。
無惨「また来る」
無惨がそう言い、そっちの方向を向けば目の前に無惨の顔。
『?!』
唇に触れる柔らかな感触と少しひんやりとした感触。
せ、接吻……
無惨「じゃあなA。鳴女」
その直後ベベンと琵琶の音がして無惨が消えた。
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廣岡唯 - あ…死ぬこの作品が神だ (11月15日 9時) (レス) @page39 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
わね - あ”しぬわこの作品が神すぎるっ! (2022年3月9日 16時) (レス) id: 52c0e09012 (このIDを非表示/違反報告)
わね - あ”しむは (2022年3月9日 16時) (レス) @page26 id: 52c0e09012 (このIDを非表示/違反報告)
包帯無駄遣い装置 - いいですねそれ! (2020年9月28日 20時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 恵 - 富岡の指定をしてる人たち!公式では、富岡でも冨岡でも…どっちでもいいと書いてありましたよ! (2020年6月19日 6時) (レス) id: af2cedb42a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:五月雨雫 | 作成日時:2019年11月1日 22時