挑発 ページ43
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Aが修善寺家の人間で、リカバリーガールの後継になろうと決意したことについて、ざっくりと話した。
「少しずつですけど、個性のデメリットをなくす訓練をしようと……」
「そうなんだ。次世代のリカバリーガールかぁ。もしかしたら将来、勝己君もお世話になるかもしれないね」
「あ？ ンなヘマしねぇわ……」
興味なさそうに、昼食のおにぎりにかぶりついていた爆豪が反論した。
彼ならたとえ怪我をしても自力でどうにかしそうではある。
「あ、そうだ。勝己君の火傷、治してみない？」
「……顔のですか？」
「んーーっていうか全身のあちこちに……」
頬にある治りかけの火傷のことだろうかと指摘すれば、他にもあるらしい。
熾雪は「こことかこことか……」と言いながら、自分の体を使って火傷の箇所を示した。
「あ゛あ！？ おま、これは……」
「私、その火傷を見るたびに罪悪感に苛まれているんだけど」
「……」
「早く治してもらわないと“私が”嫌な気分のままじゃない？」
「オイ」
自分本位な言い方に爆豪も思わず真顔でつっこんだ。
「さあ、Aちゃん！ 一思いに“ちゅ”っと」
「……」
言い方がなんかイヤだ。
「え……と、良いんですか？」
「手首に一瞬でしょ？ あ、Aちゃんが嫌かな？ 勝己君の体に唇をつけるなんて、この世のどんなものよりも遠慮したい感じ？」
「ンだと、オラ！？ ほら、とっととやれや根暗女！！」
わかりやすい挑発を受けてゴツゴツとした手を突き出す爆豪。
熾雪はしてやったり、と笑顔を浮かべていた。
「じゃ、じゃあ……いきますよ？」
再度確認すれば、「早くしろ」と睨まれてしまった。
(なんだか緊張する……)
熾雪からの視線を感じるのだ。
嫉妬とかではなく、解体の個性を使う時のあの眼差しの──……
しかし次世代のリカバリーガールとなるのなら、これくらいも平気でこなせないとダメだ。
Aは爆豪の手をとって顔の前まで持ってくる。
────よし、
気合いを入れるために心の中で呟く。
ぎゅっと目を閉じて、個性を発動させた。
「────待て」
「ぐむ、」
唇に感じるのは手の甲よりも少し柔らかい、手のひらの感触だった。
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moeka(プロフ) - こちらの続編と轟兄妹との絡みを希望します。ぜひ検討して下さると嬉しいです。楽しみに待ってます。 (2021年6月28日 22時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
silver - どっちも好きですが、こっちが好き！ 続編を希望します！ (2020年11月7日 15時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 私はどちらかと言えば癒月ちゃんの話の方が好きです。こちらの続編を希望します！ (2020年3月23日 5時) (レス) id: acabdf4bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです！更新頑張ってください！ (2018年12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年7月21日 1時
