身内 ページ42
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祖母の……──リカバリーガールの後を継ぐと決めた。
しかしAはそれ以前の段階で躓いていた。
個性の強化をサボっていたツケがまわってきたのだ。
(修行だけでもしておけば良かったなぁ……)
後悔にまみれたため息を零す。
Aはおもしろおかしく会話する２人を見た。
こちらに背を向けている熾雪と、熾雪の体で遮られている爆豪。
その２人に隠れて右手を膝に翳した。
(……)
やはり治りが遅い。
祖父の個性である右手の『癒し』も思うように使いこなせていない。
Aは諦めて個性を中断した。
「Aちゃん、やっぱり痛いよね……ポケットにひとつだけ絆創膏が入ってたけど、これじゃ数も範囲も足りないし……」
「あ……いえ、」
くるりと振り返り、真剣に心配してくれる熾雪に申し訳なさを感じる。
「……大丈夫です。自分で、治せますから……」
「え？」
Aは自分の手首の内側に唇をつけた。
キスした場所から全身に渡って波紋が広がる感覚、それはすぐに膝に集中した。
修行をするならまずデメリットを克服からと言われたので、少しくらい己を省みなくても大めに見てもらえるだろう。
すぅ……っと痛みは引いていった。
「……リカバリーガール？」
瞬時に癒えた傷を見て、ぱちぱちと瞬きをしながら熾雪は呟いた。
無遠慮に膝に顔を近づけてじっくり観察した。
「綺麗に治ってる……。え？ 今のってAちゃんの個性？」
「はい。実は私……リカバリーガールの孫なんです」
「リカバリーガールの！？ あ、前に明ちゃんが言ってた有名なヒーローの身内って……」
「はい」
Aは頷く。
リカバリーガールの後継として修行するために、祖母のお手伝いをしようと決めた。
だからいずれかは知られる真実だ。
以前、熾雪に名字を尋ねられた時に、戸惑うAの代わりに発目がフォローしてくれた。
ほぼ初対面の人間には簡単に話せない。
賢い熾雪は事情があるのだと察して、『じゃあ、聞かないでおくね』と気を遣ってくれた。
だからこそ、熾雪には噂で耳に入る前に直接自分で伝えたかった。
今度こそ──……
「改めまして、私の名前は修善寺Aです」
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moeka(プロフ) - こちらの続編と轟兄妹との絡みを希望します。ぜひ検討して下さると嬉しいです。楽しみに待ってます。 (2021年6月28日 22時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
silver - どっちも好きですが、こっちが好き！ 続編を希望します！ (2020年11月7日 15時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 私はどちらかと言えば癒月ちゃんの話の方が好きです。こちらの続編を希望します！ (2020年3月23日 5時) (レス) id: acabdf4bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです！更新頑張ってください！ (2018年12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年7月21日 1時
