共通点 ページ17
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Aは手袋越しに感じる轟の手にドキドキしていた。
綺麗な瞳と目を合わせ続けていられなくて、そっと目を逸らす。
轟が包むように重ねていた手に力が込められた。
「……っ、痛ッ」
「A？」
「あ……──」
ピリっとした痛みに思わず声を漏らすと、轟は訝し気に眉を顰めた。
手袋の感触に違和感を覚えたのか、無言で左の手袋を引き抜いた。
「お前、これは……」
轟は目を見張った。
Aの左手には白い包帯が巻かれていた。
手のひらから指まで──左手全体を覆うように。
「A」
「……はい」
「この包帯はもしかして、昨日の火傷か……？」
「……」
「そうか」
Aが目を逸らしたまま答えずにいれば、轟はその無言を肯定と受け止めた。
「何で治さない」
「戒めです。……自分への」
もう二度と、あんなことを起こさないように。
サポートアイテムで人を傷つけたことを忘れないように。
痛みとして、傷として。
忘れないように。
「……来い」
「え？」
轟はAの手を引いて工房を出た。
人気のない廊下を早足で進んでいく彼の後ろを、Aは覚束ない足取りでついてく。
「あの……どこへ？」
「保健室に行く。リカバリーガールに治してもらおう」
「おばあちゃんは今日いないですよ？」
「“おばあちゃん”……？」
「あ……」
轟は立ち止まって振り返る。
反射的に出てしまった呼び方に、しまった……とAは口元を押えた。
その反応を見て轟は妙に納得した顔をしていた。
「そうか……。やっぱり、この前の個性はリカバリーガールの……」
「……はい」
隠す必要がなくなったのでAは頷いた。
「お察しの通り、私はリカバリーガールの孫で修善寺(しゅうぜんじ)Aといいます」
「……」
「あの……？」
轟が急に黙ったので怒らせてしまったのだろうかと、恐る恐る顔を上げた。
その表情に怒りはなくほっとしたが、どこか嬉しそうだった。
「……そんなところまで似てるんだな」
「え？」
身内に有名なプロヒーローがいるところ、と轟は呟いた。
「境遇は全然違ぇと思うけど、なんか……俺だけじゃねぇんだなって」
「……」
「悪ぃ。勝手なことを言って」
「い、いえっ！」
Aは大きく首を振って彼の謝罪に応えた。
同じことをAは何度も思っている。
なんだか、心臓がうるさい。
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moeka(プロフ) - こちらの続編と轟兄妹との絡みを希望します。ぜひ検討して下さると嬉しいです。楽しみに待ってます。 (2021年6月28日 22時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
silver - どっちも好きですが、こっちが好き！ 続編を希望します！ (2020年11月7日 15時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 私はどちらかと言えば癒月ちゃんの話の方が好きです。こちらの続編を希望します！ (2020年3月23日 5時) (レス) id: acabdf4bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです！更新頑張ってください！ (2018年12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年7月21日 1時
