試用 ページ12
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Aは先の細いドライバーで、小さなネジをひとつひとつ丁寧に止めていく。
(これでなんとか……ん？)
肩口で２つにまとめている髪が浮く感覚がした。
振り向くとすぐそこに轟がいて、Aのおさげを持ち上げていた。
(えええ……！？)
髪から伝わる轟の指の動きに心臓の音が速まる。
「……お前の髪、よく見ると左右で色が違うんだな」
「よく……分かりましたね」
「光の加減でなんか違うように見えて……」
そこまで言って轟はぱっと髪から手を離した。
２、３歩後ろに下がって罰の悪い顔で目をそらした。
「悪ぃ、勝手に触って。目の色も違ぇし、俺と一緒だなって……一方的に親近感が湧いた」
「いえ！ あの……私も、轟君の髪と目を見て一緒だなって思ってましたし……」
どちらかといえばそれはAの方が先だ。
しかしそんなことを言えるわけもなく、２人の間に沈黙が流れた。
「あ、あの……」
Aは今まで手を加えていたサポートアイテムを手に取って、轟に１歩近づいた。
「リストバンドなんですけど試してみてもらえませんか？」
「できたのか？」
「いえ、完成ではないんですけど……、使い心地や装着して動き回る時に違和感がないかを確認してほしいです」
「分かった」
２人は職員室に赴き、「サポートアイテムの試用のため」と申請を出して演習室を借りた。
轟はAから受け取ったリストバンドにゆっくりと腕を通す。
その様子をAはドキドキしながら見ていた。
「つけた感触はどうですか？ 服と同じ素材にしたんですけど」
「悪くねぇ」
「良かったです。重さはどうですか？」
「今のところ大丈夫だ」
戦闘となれば疲労で重さを感じるかもしれない。
負担にならないようにと素材を選んだつもりだが、どう感じるかは本人次第だ。
「とりあえず試してみる。危ねえから下がっててくれるか」
「あ、はい」
轟は右腕から氷を出現させて、リストバンドの性能を確かめた。
フィールドが氷でいっぱいになった時、轟の右側に霜が振ってきた。
「大丈夫だ、ちゃんと作動してる」
「良かったです……」
その報告にほっとした。
もし感知しなかったらと不安だった。
Aが安心して見守っていると、氷を出し続けていた轟の表情が歪んだ。
「熱……っ！」
「え……？」
右手のリストバンドから突然、火花が散った。
その次の瞬間、煙が上がり轟は左手で右腕を押さえながら膝をついた。
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moeka(プロフ) - こちらの続編と轟兄妹との絡みを希望します。ぜひ検討して下さると嬉しいです。楽しみに待ってます。 (2021年6月28日 22時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
silver - どっちも好きですが、こっちが好き！ 続編を希望します！ (2020年11月7日 15時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 私はどちらかと言えば癒月ちゃんの話の方が好きです。こちらの続編を希望します！ (2020年3月23日 5時) (レス) id: acabdf4bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです！更新頑張ってください！ (2018年12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年7月21日 1時
