私を変えてくれたのは5人の先生。RESTART13 (ページ48)

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Aside

翔先生はいじわるだ。

翔「いつもどこ行ってんの？」

握りしめていた拳の上に乗せられた翔先生の大きくて温かな手のひら。

じわじわと感じるその体温が「言いなさい」と伝えている様。

A「…家に帰ってる。」

翔「家って、実家？」

A「うん……」

本当は入院中だしダメなんだと思う。

そもそもお母さんが死んで家の整理しなきゃなーって思い立って行ったのが最初だし。

翔「まあ、どこに行こうがAの自由だけどさ、これが着けられてる限りは入院中ってこと忘れないでね？」

右手に着いてるネームバンドを揺らされる。

これも嫌になって1回切っちゃったけどね。

A「今日も、行ってもいい？」

翔「ん、いいよ。遅くても夕方までには帰っておいでね。」

許可は下りないかと思ってたけど、翔先生は優しく笑った。

それから、外出届を書いて荷物のチェックを受けた。

翔「何かあったらすぐ連絡しなよ？」

A「分かってるもん。」

翔「いってらっしゃい、気をつけてね。」

ドアの前まで翔先生に送ってもらって私は自宅の方向へ歩き出した。

何も言わないまま家に行くのとは少し違くて、昨日までより気持ちはスッキリしていた。